ニュース速報

ワールド

東京のコロナ新規感染224人、過去最多も政府は緊急事態否定

2020年07月09日(木)19時37分

 7月9日、東京都は9日、都内で新たに224人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。4月17日の206人を超え、1日の感染者としては過去最多。写真は都内で6月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 9日 ロイター] - 東京都は9日、都内で新たに224人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。4月17日の206人を超え、1日の感染者としては過去最多。大阪府も30人の感染が確認された。菅義偉官房長官は医療提供体制の状況が以前とは違うとして、緊急事態宣言を発出する状況にはないとの見方を改めて示した。

<さらなる警戒必要>

都内の感染者は累計7272人となった。小池百合子都知事は9日午後、新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、「感染者の動向については、さらなる警戒が必要だ」と語った。

小池知事はPCR検査が3400件に上ったなかでの数字だとしたうえで、夜の街関連が一定数あるなか、若年層の友人とのパーティーや会食で感染がみられると指摘した。30代以下の感染は82%に上るという。小池知事によると、これまで感染者が最大となった4月17日のPCR検査は919件だった。

菅義偉官房長官は同日午後の定例会見で、病床数、入院患者数、重症者数が4月下旬とは違うと強調。都内での感染者数増加で「直ちに緊急事態宣言を再び発出する状況に該当すると考えていない」との認識を示した。

安倍晋三首相は「高い緊張感をもって感染状況を注視している」とし、西村康稔経済再生相と小池都知事に「具体的対応について検討していただきたい」と述べた。

<大阪でも30人、緊急事態解除後で最多>

緊急事態宣言が解除された5月25日以降、感染が確認される人の数は増加傾向を示し、7月2日には1日の感染確認数が100人を超えた。小池都知事はその際、東京都は「感染拡大要警戒」の段階にあるとして、都民には夜の街への外出を控えるよう要請していた。

しかしその後も100人以上の感染確認が続き、8日に75人と7日ぶりに100人以下となったものの、9日には200人を超える状況となった。9日には大阪府でも新たに30人の感染が確認された。緊急事態宣言が解除されてから最多だった。

<明日からのイベント観戦の制限緩和、予定通り>

菅官房長官はまた、明日10日からのイベント観戦制限の緩和も、予定通り行う考え方に変わりないとした。

政府は6日、新型コロナウイルス感染症対策分科会の初会合を実施、イベント参加人数の上限について1段階緩和する方針が了承されたとして、コンサートやスポーツイベントへの入場を10日から5000人(屋内では5000人と収容率50%以内のどちらか小さい方)まで認めることとしていた。

また、その後の状況を確認した上で、8月1日からは収容人員の50%までの入場を認める方針を示していた。

<気が抜けない>

就職活動で東京を訪れていた22歳の男性は9日、ロイターに対し、「20代30代が多いということで、状況が変わってきている。前までは人ごとのような感じがあったけど、同世代が多いとなると気が抜けなくなってきたなあ、という印象」と述べた。

*内容を追加して再送します。

(青山敦子 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

政府・日銀、景気認識に「齟齬はない」=片山財務相

ワールド

ブラジル経済活動指数、10月は前月比0.2%低下 

ビジネス

S&P500の来年末目標は7700、AIが依然主要

ワールド

メキシコ、米国産豚肉を反ダンピング・反補助金調査
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中