ニュース速報

ワールド

米政府、FDA長官にゴットリーブ氏指名 新薬承認の簡素化提唱

2017年03月13日(月)10時24分

 3月10日、トランプ米大統領は、米食品医薬品局(FDA)の新長官に、元副長官で新薬承認手続きの簡素化を提唱してきたスコット・ゴットリーブ氏(44)を指名した。ホワイトハウスが発表した。アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート提供写真(2017年 ロイター)

[ワシントン 10日 ロイター] - トランプ米大統領は、米食品医薬品局(FDA)の新長官に、元副長官で新薬承認手続きの簡素化を提唱してきたスコット・ゴットリーブ氏(44)を指名した。ホワイトハウスが発表した。

トランプ氏が目指す食品・医薬品の抜本的規制緩和に向けた取り組みの指揮を取ることになる。

ゴッドリーブ氏は現在、保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所のレジデント・フェロー。大型ベンチャー・キャピタル・ファンドのパートナーでもある。これまで新薬承認の要件緩和を訴えてきた。

同氏は、過去に何度も医薬品価格を含む医療関連の問題で議会証言を行ったことがあり、製薬会社や製薬会社の株主に好意的に見られている。また、複数の小規模な製薬・バイオ会社の役員を務めており、英製薬グラクソ・スミスクラインの顧問でもある。

ロバート・W・ベアードのアナリストは調査ノートで、「ゴットリーブ氏でよかった」と指名を歓迎。製薬業界にとって「好ましい」と評価した。

ゴットリーブ氏は指名についてコメントを控えた。長官就任後は臨床試験に関する審査で柔軟性を拡大するなど、FDAに変革をもたらすとみられる。また、同氏の目指す改革は、米議会で最近成立した、新薬承認審査の迅速化などを盛り込んだ「21世紀の治療法」の方向性と一致する見通し。

今後の優先課題には、複雑で複製が難しい医薬品の後発薬を承認する手続きの簡素化が含まれる可能性が高い。ゴットリーブ氏はこれまで、そのような後発薬の承認でFDAは有効な手段あるいは方針が欠如していると発言し、異なる承認基準の策定を訴えてきた。

ミズホ・セキュリティーズUSAがまとめた調査によると、医薬品会社53社の幹部の72%がゴットリーブ氏のFDA局長就任を歓迎する意向を示している。

*内容とカテゴリーを追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍、台湾包囲の大規模演習 実弾射撃や港湾封鎖訓

ワールド

和平枠組みで15年間の米安全保障を想定、ゼレンスキ

ワールド

トルコでIS戦闘員と銃撃戦、警察官3人死亡 攻撃警

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中