ニュース速報

ワールド

ペトロブラス、第4四半期は過去最大の赤字 原油安と評価損で

2016年03月22日(火)10時52分

3月21日、ブラジル国営石油会社ペトロブラスが発表した第4・四半期決算は、純損益が369億レアルの赤字となった。サンパウロで昨年4月撮影(2016年 ロイター/PAULO WHITAKER)

[ニューヨーク/リオデジャネイロ 21日 ロイター] - ブラジル国営石油会社ペトロブラスが21日発表した第4・四半期決算は、純損益が369億レアル(102億ドル)の赤字で、赤字額は過去最大となった。原油価格が大幅に下落する中、油田などの資産で464億レアルの評価損を計上したことが響いた。

同社は大規模な汚職事件の渦中にある。

第4・四半期の赤字額はロイターがまとめたアナリスト予想の97億レアルを大きく上回ったほか、これまでの最高額だった1年前の赤字額、266億レアルを48%上回った。

2015年通年では348億レアルの赤字となった。

決算発表を受け、ペトロブラスの普通株は米市場の時間外取引で5.8%下落した。

計上した評価損464億レアルのうち、83%は油田関連。

1年前の決算でも評価損が赤字の原因だったが、その大半は大規模な価格操作や贈収賄、政治家へのキックバックといった不祥事に関連したものだった。不正が横行していた2003─2010年までペトロブラスの取締役会会長だったルセフ現大統領は一切の不正行為を否定している。

油田関連以外で最大となる52億8000万レアルの評価損を計上したのはリオデジャネイロ近くで建設中のComperj製油所。コストの急増と度重なる工事の遅れが問題となっている。ペトロブラスは21日、この製油所の建設における資金面のパートナーが見つからないため、操業を少なくとも2023年まで先送りしたと説明した。

第4・四半期の純売上高は851億レアル。利払い・税・償却前利益(EBITDA)は171億レアルだった。

第4・四半期末時点のキャッシュポジションは投資縮小により、978億レアルに増加。

ベンジニ最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、2017年末まで新たな借り入れなしにすべての債務返済を可能にするキャッシュが生み出せるとの見方を示した。

2015年末時点のレアル建ての債務総額は前年比40%増加した。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米中貿易協議「進展」、投資家は歓迎 抜本的解決には

ビジネス

米中貿易協議で「大きな進展」、12日に声明 協議枠

ビジネス

中国乗用車販売、4月は3カ月連続で増加 買い替え補

ビジネス

FRBバランスシート縮小なら利下げ可能、ウォーシュ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 3
    「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 7
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 8
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中