2月ロイター企業調査:台湾発言から3カ月、日中関係悪化「影響ほぼなし」7割超に増加
中国国旗。2022年5月撮影のイメージ写真。REUTERS/Dado Ruvic/Illustration
Miho Uranaka
[東京 19日 ロイター] - 高市早苗首相の台湾有事に関する発言を機に日中関係が悪化してから約3カ月が経つ。2月のロイター企業調査では、1月に続いて悪化する日中関係の影響を聞いたところ、「ほとんど影響はない」と答えた企業が前月から16ポイント増加し73%となった。企業の間で、影響は限定的との見方が広がっている。
自社の事業活動に「すでに影響が出ている」との回答は9%で、1月から横ばいだった。一方、「ほとんど影響はない」とする回答は57%から73%へと増加した。「影響が予想される」と答えた企業は35%から18%に減少しており、懸念を示していた企業の一部が「ほとんど影響はない」との見方に転じた可能性がある。
調査は2月3─13日に実施。発送企業は492社(資本金10億円以上の上場・非上場企業)で、217社が回答した。このうち、訪日客需要に左右されそうな運輸・小売・サービス関連は約3割、レアアース輸出制限の影響を受ける可能性のある製造業は5割程度を占める。
「すでに影響が出ている」とした企業に具体的な内容を尋ねたところ、「原材料や部品の調達などサプライチェーンへの影響」が50%で、1月の「売り上げの減少」(56%)に代わり最多回答となった。
また、当初の想定よりも大きな影響が出ている、あるいは今後出ると予想される分野を尋ねたところ、レアアース関連の影響を挙げる声が目立った。中国政府は1月、日本向け軍民両用(デュアルユース)品目の輸出管理を強化すると公表している。
「レアアースを使用する主要部品があり、その調達が遅れている。部品在庫不足の影響で受注を停止している製品もある」(機械)、「レアアース禁輸の影響で必須部品の調達見通しが立たず、生産や販売計画を縮小せざるを得ない状況」(電機)といった声が聞かれ、調達面での不透明感が企業活動に影を落としている実態がうかがえる。
インバウンド需要への影響を挙げる企業も多く、「百貨店事業におけるインバウンド売り上げの減少」(小売)、「主に団体予約による売り上げが減少している」(空運)との指摘があった。
<供給網見直し、一方では成長見込む企業も>
今回の調査では足元の影響についてほとんど影響はないとする回答が増えた一方で、今後の中国ビジネスを巡っては、事業の縮小やサプライチェーン(供給網)の見直しを検討する企業が多いことも明らかになった。
「新たな投資は行わず、縮小方針」(繊維)、「連結会社を清算」(機械)、「積極的な投資は控える」(輸送用機器)といった声が上がり、「中国向けは様子見。米国、欧州、アジアなど他の地域でのビジネス活動を中心に進める予定」(紙・パルプ)、「魅力的な市場あるいは安定的な生産拠点や調達先としてみていくことはできない。脱中国を進めていく」(ゴム)など、中国依存を見直す動きに広がりがみられた。
一方で、「依然として重要な市場と位置付ける」(ガラス・土石)、「新エネルギー車関連の需要取り込み」(鉄鋼)を計画するなど中国市場を重視する声もあった。
また、「リスクと上手に付き合って進めていけるようにガバナンスを強化していく」(電機)、「リスクはあるが、成長する市場のシェアを拡大するため、製造・販売共に強化していく」(精密機器)、「(日本製品に代わり)ローカル仕入先の販売量の増加を一部推進」(卸売)、「中国生産の役割を『中国国内向け』に明確化していく」(ゴム)など、リスクを意識しつつも事業拡大や体制強化を図る方針も示された。
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