1月米雇用、13万人増と1年超ぶり大幅増 失業率4.3%に改善
米ニューヨークで2022年4月撮影。REUTERS/Shannon Stapleton
Lucia Mutikani
[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から13万人増加した。市場予想の7万人増を大きく上回り、13カ月ぶりの大幅増となった。失業率は4.3%と、前月の4.4%から改善。労働市場が安定化しつつある兆しが示され、連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向を見極める中、当面は金利を据え置く余地があることが示された。
ただ、2025年12月の非農業部門雇用者数は4万8000人増と、5万人増から下方修正。25年通年では18万1000人増と、58万4000人増から大きく下方修正され、24年通年の145万9000人増に遠く及ばなかった。労働市場がトランプ大統領の通商、移民政策の影響を受ける中、1月の雇用者数の急増で労働市場の状況が実質的に転換したと見なすべきではないとの見方も出ている。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「1月に増加したのは医療や社会福祉のほか、人工知能(AI)関連施設に関連する一部の事業者に限定され、将来的な経済成長を保証するものではない」と指摘。求職者が仕事を見つけるのは依然として困難との見方を示した。
ウェルズ・ファーゴの上級エコノミスト、サラ・ハウス氏は「労働市場は急速に悪化しているというより、むしろ安定に近づいているように見える」と指摘。5月に任期が切れるパウエルFRB議長の下で追加利下げが行われる可能性は一段と低くなったとの見方を示した。
1月の非農業部門雇用者数の予想は1万人減から13万5000人増まで、幅が大きかった。労働省は1月の統計について、全米の広範な地域を襲った厳しい寒波や雪嵐で大きな影響を受けていないとしているが、家計調査の集計は悪天候の影響を受け、回答率は平均を下回る64.3%。このため一部エコノミストは、1月の失業率低下を額面通りに受け止めるべきではないとしている。
<雇用増は一部業種に集中>
業種別では、医療関連が8万2000人増と、25年の月平均である3万3000人増を大幅に上回り、20年7月以来最大となった。社会扶助は4万2000人増。建設は非住宅建設業者の増加がけん引し、3万3000人増加した。
専門・ビジネスサービスセクターは3万4000人増加。製造業はわずかに持ち直したものの、トランプ氏が大統領に返り咲いて以降、8万人以上の雇用が失われている。小売業、公益事業、レジャー・接客は小幅増。
一方、金融は2万2000人減。運輸・倉庫業、情報産業、鉱業でも減少した。連邦政府は3万4000人減。連邦政府の雇用は24年10月のピーク以降、32万7000人減少している。
雇用者数が増加した業種の割合は55.0%と、前月の54.2%から上昇した。
サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「1月の雇用統計で示された力強さが今後も一貫して続くか懐疑的だが、労働市場が崩壊寸前にあるという見方には完全に終止符が打たれた」と指摘。ただ、労働省がこの日発表した雇用統計の年次ベンチマーク(基準)の改定値によると、25年3月までの1年間の雇用創出は従来の推計より86万2000人少なく、労働市場の弱さが改めて浮き彫りになった。
今回の雇用統計の発表は、連邦政府閉鎖の影響で当初予定の6日から延期されていた。





