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在欧中国企業、事業環境が6年連続悪化 コスト上昇と政情で=調査

2025年11月13日(木)11時27分

 欧州連合(EU)に進出している中国企業が、域内の事業環境が6年連続で悪化していると感じていることが、12日に公表された調査で分かった。EU旗と中国国旗のイラストレーション写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)に進出している中国企業が、域内の事業環境が6年連続で悪化していると感じていることが、12日に公表された調査で分かった。労働コスト上昇と政治的課題が事業運営を圧迫しているという。

調査は欧盟中国商会の委託で、コンサルティング会社ローランド・バーガーが200の中国企業・団体を対象に実施。EUのビジネス環境に対する総合評価は61点で、2019年の73点から低下し、24年から1点下がった。

EUと中国の関係は、重要鉱物資源における中国依存を減らすことを目指したEUの「デリスキング」戦略で昨年10月から中国製電気自動車(EV)への投資と関税の審査が厳格化されたことから、緊張している。

欧盟中国商会は、最近は「極端にネガティブな感情」は緩和されたものの根本的な改善には至っていないと指摘。「市場参入障壁や研究協力への制限といった中核的な問題はなお未解決で、引き続きEUにおける中国企業の事業活動を阻害している」と述べた。

調査では、回答者の81%が不確実性の高まりを指摘、67%が強い反中感情がEUでの事業に影響していると答えた。

具体的な課題としては、市場アクセスや政府調達の機会からの排除、承認プロセスの長期化、補助金へのアクセスや政府との交渉チャネルの制限などが挙げられた。

それでも、中国企業の62%が今年のEUにおける売上高増加を予想、半数弱が増益を見込んだ。また、回答者の半数が対EU投資を増やす予定で、投資を削減予定との回答は11%にとどまった。

ロイター
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