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UBS、クレディ・スイス超富裕顧客の統合を数カ月延期=関係筋

2025年11月11日(火)17時08分

 11月11日、スイスの金融大手UBSは旧クレディ・スイスの一部の超富裕顧客について、自社プラットフォームへの移行を数カ月遅らせている。スイス・ローザンヌで10月4日撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)

Ariane Luthi Oliver Hirt

[チューリヒ 11日 ロイター] - スイスの金融大手UBSは旧クレディ・スイスの一部の超富裕顧客について、自社プラットフォームへの移行を数カ月遅らせている。関係筋がロイターに明らかにした。統合作業がこれまで比較的順調に進んできた中での異例の遅延だという。

来年3月末までにスイスに口座を持つ全顧客の移行を完了する目標の達成が危うくなる可能性があるが、UBSは依然として目標を維持している。同社の広報担当者は「(移行は)計画通りに進んでいる」と述べた。

関係筋によると、超富裕層を含む旧クレディ・スイス資産運用部門の顧客の移行は2026年1─3月期に先送りされた。このうちの1人は、一部の超富裕層顧客は当初9月に移行予定だったが、来年1月に延期されたと述べた。2月と3月にも移行が行われるという。

遅延の正確な理由は不明だが、関係者の1人は、統合チームの業務過多に加え、年末前の変更が顧客の納税申告を複雑化させる恐れがあったと指摘した。

別の関係者は比較的資産規模の小さい顧客の移行でいくつかの不具合が生じたため、UBSは重要顧客層の移行を遅らせた可能性があるとの見方を示した。顧客の取引に修正が必要なケースがあったほか、移行後にシステムがすぐに利用できないという問題が発生したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

関係者の1人は、口座をUBSのシステムに移す過程で、旧クレディ・スイス顧客からの資金流出が想定を上回る可能性をUBSが懸念していると語った。

ロイター
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