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米小売業者、感謝祭用にお得な食事セットを宣伝

2025年11月11日(火)10時14分

2025年11月6日、ニューヨーク州バレーストリームの店舗で販売されている冷凍の七面鳥。REUTERS/Kylie Cooper

Siddharth Cavale

[8日 ロイター] - 食料品大手のウォルマート、ターゲット、アルディは今年の感謝祭の食事セットをこれまでで最もお得だと宣伝している。しかし、これらの小売業者は消費者と全く同じことをしており、より安価なプライベートブランドに切り替えたり、品数を減らしたりしているのだ。

ウォルマートの今年の食事セットは15品目のうち9品が自社ブランドで、昨年の21品中9品よりも自社ブランドの割合が高くなっている。七面鳥は詰め物用の食材を切り替えてより知名度の高いブランドに格上げした。

ウォルマートによると、今年の食事セットは10人分で40ドル未満、昨年は8人分で約56ドルだった。今年の品目数は22品で、昨年の29品より減った。ウォルマートはコメントを拒否した。

<トランプ氏も言及>

経済に関する支持率が低下しているトランプ米大統領は今週、ウォルマートの値下げに何度も言及し、感謝祭にかかる費用が昨年から25%減ったと指摘した。

記者が7日、食事セットの中身が減っていると指摘すると、トランプ氏はそのような話を聞いていないと述べ、その主張を「フェイクニュース」だと非難した。

食事セットの内容は単に象徴的なものだけでなく、消費者の嗜好を反映している。ニールセンIQが9月に実施した調査で、回答者の58%が食品価格のインフレに非常に懸念を示し、31%が可能な限り全国ブランドよりもストアブランドを選ぶと答えている。

政府データによると、食品価格は9月に前年比2.7%上昇した。米国の消費者心理は11月初旬に3年半ぶりの低水準まで落ち込み、史上最長の政府閉鎖のために低所得者向け食料支援の支払いが遅れており、家計に対する圧迫がさらに強まる可能性がありそうだ。

アルディはプライベートブランドで評判を築いたドイツのディスカウントチェーンで、今年は10人分の食事セットを40ドルで提供している。昨年は47ドルだった。七面鳥はより安価なブランドに切り替えて1ポンド当たり約30セント削減した。

ターゲットの7品目の食事セットは2つの注目すべき変更があった。パンと冷凍コーンをプライベートブランドに切り替え、昨年の品ぞろえにあった全国ブランドのインゲンやクリームマッシュルームスープを外した。4人分の食事セットは20ドル未満で昨年と同程度だ。

ターゲットの広報担当者は食事セットのラインナップが顧客の要望や在庫状況などに応じて毎年少し変わる可能性があると述べた。また、顧客は購入時期を感謝祭の1週間前まで待つ傾向があるとしている。

ロイター
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