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健全調整か本格下落か、投資家の手掛かり模索続く=今週の米株式市場

2025年11月10日(月)08時48分

写真はニューヨーク証券取引所。2020年10月、ニューヨークで撮影。REUTERS/Carlo Allegri

[ニューヨーク 7日 ロイター] - 米株式投資家は足元の相場軟化について、利益確定売りを伴う健全な調整か、それともより深刻な下げ相場の入り口か、判断しかねている。こうした中で今週も米経済動向や政府機関閉鎖問題、企業業績など手掛かりとなる材料を探す展開が続きそうだ。

7日までの週は特に人工知能(AI)ブームの関連銘柄の割高化を巡る懸念が強まった。10月のレイオフが4年ぶりの規模になるなど厳しい雇用情勢を示す民間データが公表されたからだ。

S&P総合500種は10月最終週まで3週連続でプラスだったが、7日までの週はマイナスに転じ、終値ベースで直近高値からは約2.4%下がっている。

直近の売り局面で最も打撃を受けたのは、3年余りにわたって強気相場を牽引してきたテック株だった。

アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリムビーン氏は、政府閉鎖の影響で「われわれは多くの経済データを入手できない」と述べた上で、「現在のバリュエーションとこれまでの値上がりを踏まえ、投資家は慎重姿勢をやや強め始めている。それ自体悪い話ではないが、折悪しく経済成長ペースについて不確実性が増している局面にある」と説明した。

今週は本来なら、消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI),小売売上高といった重要な統計を確認できるはずだったが、政府閉鎖のせいで発表は先送りされる見通し。そのため投資家は、従来あまり注目されなかった全米独立企業連盟(NFIB)の中小企業楽観指数(11日)などで景気動向を把握しようとするだろう。

過去最長になった政府閉鎖が経済に及ぼす影響も案じられている。ダフィー運輸長官は7日、政府閉鎖が続く場合、各航空会社に最大20%の減便を命じる可能性があると警告した。

12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げするかどうかの判断を迫られる米連邦準備理事会(FRB)にとっても、政府閉鎖は経済物価情勢を見通す上で厄介な問題になっている。

ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「FRBは労働市場で何が起きているのか突き止めるのに役立つ要素を必要としている。今のところ相反するシグナルを手にしており、12月の決定内容は株式市場にも予期しない影響をもたらすのは間違いない」と警戒する。

企業業績に関しては、これまで四半期決算を発表したS&P総合500種構成企業446社の82.5%がアナリスト予想を超える利益を計上し、この比率はLSEGのIBESデータによると2021年第2・四半期以降で最も高い。

今週は娯楽・メディアのウォルト・ディズニーやネットワクー機器のシスコシステムズなどが注目の決算発表になりそうで、来週には今やAIブームの象徴的存在となった半導体のエヌビディアの決算が控える。

サグリムビーン氏は「エヌビディアの決算発表に向けて主力テック株やハイテクセクター全体のボラティリティーが幾分拡大する事態が想定される」とみている。

ロイター
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