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実質賃金9月は1.4%減 9カ月連続マイナス ボーナスは2001年以来の高水準

2025年11月06日(木)11時15分

2017年11月、川崎市の京浜工業地帯付近で撮影。REUTERS/Toru Hanai

Tetsushi Kajimoto

[東京 6日 ロイター] - 厚生労働省が6日に公表した9月の毎月勤労統計(速報)によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比1.4%減だった。9カ月連続で減少した。名目賃金の増加幅は8月の1.3%から1.9%へ伸長したものの、物価の上昇率も3.1%から3.4%へ加速した。

労働者1人当たりの平均名目賃金を示す現金給与総額は前年比1.9%増の29万7145円と、45カ月連続で増加した。しかし、伸び率が物価上昇ペースに追いつかず、持ち家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数プラス3.4%を使った場合の実質賃金は1.4%減、総合の指数プラス2.9%を使った場合の実質賃金は1.0%減といずれも前年比マイナスが続いている。

現金給与総額のうち、基本給に当たる所定内給与は前年比1.9%増、ボーナスや賞与を含む特別に支払われた給与は同4.5%増、残業代に当たる所定外給与は同0.6%増だった。

厚労省は、6月から8月に支払われた夏のボーナスも公表、一人当たり平均で前年比2.9%増の42万6337円だった。厚労省担当者によると、2001年以来の高水準となった。

伊藤忠総研のチーフエコノミスト、武田淳氏は、所定内給与が前月から伸び悩んでいることが気がかりだと指摘する。ガソリン補助金や暫定税率の廃止を含め、実質賃金の改善には、高止まりする物価が下がってくるのを待つしかないとし、「日銀が物価・賃金動向を慎重に見極めたいのであれば、12月の利上げは見送る可能性もある」と述べた。

ロイター
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