NY外為市場=ドル軟調、米中懸念後退でリスク選好 主要中銀の決定会合に注目
ニューヨーク外為市場では、米中通商合意を巡る楽観的な見方を背景にリスク選好度が高まり、ドルがユーロのほか、中国人民元や豪ドルなどに対して下落した。2016年1月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)
[ニューヨーク 27 日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米中通商合意を巡る楽観的な見方を背景にリスク選好度が高まり、ドルがユーロのほか、中国人民元や豪ドルなどに対して下落した。ただ、週内に予定される日米などの一連の中銀金融政策決定会合の結果を見極めようと、全体的な値動きは小幅にとどまった。
市場は28日の日米首脳会談にも注目。トランプ米大統領と高市早苗首相は通商問題についても協議するとみられている。高市氏が一段と拡張的な財政政策を打ち出す可能性があるとの観測を背景に円はこのところ軟調。ドル/円はこの日の終盤の取引で、ほぼ横ばいの152.92円。
米中通商協議を巡っては、ベセント米財務長官が26日、マレーシアの首都クアラルンプールで行っていた米中閣僚級協議で「非常に実質的な枠組み」に到達したと明らかにし、トランプ大統領が警告していた中国製品に対する100%追加関税は回避されるとの見通しを表明。 アジア歴訪中のトランプ大統領はこの日、米中は通商合意に至るとの見通しを示した。トランプ氏は30日にアジア歴訪の一環として訪問する韓国で中国の習近平国家主席と会談する。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「米中が崖っぷちから転げ落ちることはないように見えること、米国が一部の東アジア諸国と通商協定や枠組みを取りまとめたこと、アルゼンチンでミレイ大統領が中間選挙で勝利したことの3点が市場心理の下支えになっている」とし、「市場はユーフォリア的な状況になっている」と述べた。
この日はまた、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁が人民銀が公開市場で国債売買を再開すると発表したと国営新華財経が報道。INGのグローバル為替調査責任者、クリス・ターナー氏は、こうした動きは内需下支えに向けた意思の表れであると同時に、30日の米中首脳会談を前にした善意のジェスチャーである可能性もあるとの見方を示した。
今週は世界の主要中銀の政策決定会合が目白押し。米連邦準備理事会(FRB)は28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定するとの見方が大勢となっているほか、カナダ銀行(中央銀行)も29日の会合で0.25%ポイントの利下げを決定する見通し。一方、日銀は29-30日の会合で金利を据え置くとの見方が大勢。欧州中央銀行(ECB)も金利据え置きを決定するとみられている。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.11%安の98.84。ユーロ/ドルは0.15%高の1.1643ドル。
中国人民元はオフショア取引で一時1ドル=7.1015に上昇。約1カ月ぶりの高値を付けた。
ドル/円 NY午後3時 152.80/152.84
始値 152.77
高値 153.19
安値 152.57
ユーロ/ドル NY午後3時 1.1650/1.1651
始値 1.1641
高値 1.1651
安値 1.1632





