ネスレCEO、肥満症薬はコーヒー事業に影響せず
スイス食品大手ネスレのシュナイダー最高経営責任者(CEO)は20日、利用が増加している肥満症治療薬による同社のコーヒー事業への影響はないとの認識を示した。写真は同CEO。ヴヴェイの本社で2020年2月撮影(2023年 ロイター/PIERRE ALBOUY)
[チューリッヒ 20日 ロイター] - スイス食品大手ネスレのシュナイダー最高経営責任者(CEO)は20日、利用が増加している肥満症治療薬による同社のコーヒー事業への影響はないとの認識を示した。
その上で、同社の健康科学事業拡大の機会と見て、肥満症薬を利用する人向けにプロテイン関連商品を提供していく方針を示した。
シュナイダー氏はビジネス向けインターネット交流サイト(SNS)リンクトインで、「肥満症薬利用者のコーヒーへの欲求が減るという証拠は見当たらない」と投稿した。
コーヒー事業はネスレにとって重要で、年間売上高のおよそ20%を占める。昨年の売上高は944億スイスフラン(1095億3000万ドル)に上った。
肥満症薬の人気が高まる中、消費財・小売業界では、食品や飲料の売り上げに響くのではないかとの懸念が生じている。
肥満症薬は食欲を減らし、消化を緩やかにする効果がある。
シュナイダー氏は、肥満症薬利用者は除脂肪体重が減少する可能性があり、プロテインの摂取や運動を増やすことになると見込む。
「砂糖や脂肪分の少ない食品を消費するようになるかもしれないが、他の食品や飲料、サプリメントを通じて必要な栄養素を取る必要が出てくる」と話した。
すでにプロテイン関連製品の需要が増えており、ビタミン剤やサプリメントなどにも可能性を見いだしているという。
シュナイダー氏は、健康科学事業は肥満症薬が最も浸透している北米が中心だが、商品展開を他の地域へ拡大することも検討していると述べた。
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