ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、雇用統計好調で利下げ観測後ずれ

2023年12月09日(土)07時17分

ニューヨーク外為市場でドルが上昇した。11月の米雇用統計で労働市場の基調的な力強さが確認され、利下げ観測が後ずれした。 (2023年 ロイター/Rick Wilking)

[ワシントン 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場でドルが上昇した。11月の米雇用統計で労働市場の基調的な力強さが確認され、利下げ観測が後ずれした。

主要6通貨に対するドル指数は、終盤の取引で0.3%高の104.0。円は対ドルで0.52%安の144.35円。

米労働省が朝方発表した11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万9000人増と、市場予想(18万人増)を上回った。失業率は3.7%に低下。労働市場の底堅さが示されたことで、連邦準備理事会(FRB)が来年第1・四半期にも利下げに転じるとの観測は尚早との見方が台頭した。

スタンダード・チャータード・バンク(ニューヨーク)のグローバルG10外為調査部門責任者、スティーブン・イングランダー氏は「FRBを様子見姿勢から脱却させるようなデータは今のところは出ていない」としている。

雇用統計を受け、FRBは来年3月に利下げに踏み切るとの見方が後退。最初の利下げは5月に後ずれするとの見方が強まった。

アンバーウェーブ・パートナーズの共同設立者スティーブン・ミラン氏は「米金利市場はFRBに対して短期的にハト派的になりすぎている」と指摘。11月に入ってから金融情勢が大幅に緩和していることを踏まえると、FRBは基本的に利下げを急ぐ必要がないとの見方を示した。

円は前日の取引で対ドルで急伸。日銀が早期に金融政策を修正するという観測を背景に一時141円台に乗せ、約3カ月ぶりの高値を付けた。

スタンダード・チャータードのイングランダー氏は「日銀は2021年後半に他の中央銀行が置かれていたのと同じような状況にある。実質金利が世界で最も低いという状況は現時点ではあまり強くない。問題は、日銀はいつまで市場に準備させるつもりなのかということだ」と述べた。

円は英ポンドなどの高利回り通貨に対して上昇。この日の取引で英ポンドは対円で2カ月ぶり低水準を付けた。ただ終盤の取引では0.66%高の181.88円。

ユーロ/ドルは0.31%安の1.07585ドル。

英ポンド/ドルは0.38%安の1.255ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.58%高の4万3981ドルと、22年4月以来の高値近辺にとどまった。

ドル/円 NY終値 144.93/144.96

始値 144.44

高値 145.20

安値 143.77

ユーロ/ドル NY終値 1.0761/1.0765

始値 1.0781

高値 1.0785

安値 1.0724

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 5
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中