ニュース速報

ビジネス

日経平均は反発、米株高が支え 中国新体制への警戒感も

2022年10月24日(月)15時45分

 10月24日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比84円32銭高の2万6974円90銭と、反発して取引を終えた。写真は東京証券取引所で2016年2月撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 24日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比84円32銭高の2万6974円90銭と、反発して取引を終えた。前週末の米国市場で米国の金融引き締めに対する過度な懸念が和らいで株価が急反発した流れを引き継いだ。一方、中国の新体制による政治・経済政策など不透明要因が警戒され、買い一巡後は上げ幅を縮小して伸び悩んだ。

日経平均は、前週末の米国市場で株価が急反発したことを好感し、300円超高でスタート。一時400円超高まで上値を伸ばした。米長期金利の上昇が一服したことが安心感につながり、ハイテク株や高PER(株価収益率)株、景気敏感株などが買われた。一方、このところ相場を支えていた百貨店や空運、陸運といったリオープン(経済再開)関連の一角やディフェンシブ銘柄は軟調だった。

前週末の米国市場では、米連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で、これまでより小幅な利上げを検討する公算が大きいとの報道を受け、安心感が広がった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、FRB当局者の一部から近く利上げペースを緩めるべきとの声が上がり始めている。

もっとも、日経平均は買い一巡後に上げ幅を縮め、伸び悩んだ。中国共産党は23日に開いた第20期中央委員会第1回総会(1中総会)で習近平総書記(国家主席、69)の異例の3期目続投を正式決定した。週明けのアジア市場では上海株が軟調だったほか、ハンセン指数が大幅安となり、東京市場でも投資家心理の重しになった。

中国の新体制は、政治・経済面で不透明な要素が多いと受け止められており「消化難」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との声が多く聞かれた。日米で決算シーズンが本格化する中、「今週、来週あたりは個別の動きになりやすい」(大谷氏)という。

指数寄与度の大きいソフトバンクグループは、朝方に米ハイテク株高を好感して一時4%高となり年初来高値を更新したが、アジア株が軟調となる中で午前の終盤から上げ幅を縮め、午後にはマイナスに沈むなど、値動きが大きかった。

TOPIXは0.28%高の1887.19ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.28%高の971.06ポイントで取引を終了。プライム市場の売買代金は2兆6027億8800万円だった。東証33業種では、値上がりは海運業や非鉄金属、ゴム製品など17業種で、値下がりは不動産業や陸運業、小売業など16業種だった。

東京エレクトロンやエムスリーが大幅高となったほか、日本郵船は分割後の高値を更新した。一方、高島屋が大幅安、ANA HLDGは小安かった。三菱地所は大幅安。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが904銘柄(49%)、値下がりは858銘柄(46%)、変わらずは75銘柄(4%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 26974.90 +84.32 27233.00 26,974.90─2

7,308.97

TOPIX 1887.19 +5.21 1902.58 1,886.97─1,

904.35

プライム指数 971.06 +2.69 978.13 970.95─979.

90

スタンダード指数 981.95 -0.12 987.66 981.63─987.

66

グロース指数 923.58 +3.02 928.14 922.58─930.

63

東証出来高(万株) 103097 東証売買代金(億円 26027.88

)

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ

ワールド

米首都で34年ぶり軍事パレード、トランプ氏誕生日 

ワールド

米ミネソタで州議員が銃撃受け死亡、容疑者逃走中 知
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中