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午後3時のドルは横ばいで138円前半、日銀会合で一時上下に振れる
7月21日、午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(138.20/23円)から横ばいの138.21/23円で推移している。写真は米ドル紙幣。2021年11月に撮影(2022年 ロイター/Murad Sezer)
[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(138.20/23円)から横ばいの138.21/23円で推移している。日銀が金融政策の現状維持を決定し一時的に上下に振れたものの、その後は138円前半で小動きにとどまっている。黒田東彦日銀総裁の会見を控えて様子見ムードが広がっている。
日銀は20―21日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を賛成多数で決めた。経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、2022年度の物価見通しを前年度比プラス2.3%と、前回4月時点のプラス1.9%から引き上げた。
ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏は「物価見通しは23、24年度のほか基調も上方修正され、GDP見通しもコンセンサスよりも強い内容だった」と指摘。景気回復と賃金の本格的な上昇を伴った、日銀が目指す物価上昇の形に近づいていくビジョンが示されたという。
日銀の政策維持の決定を受けてドルは138.52円付近まで上昇。しかし「物価見通しが予想よりも高めであることから、日銀の緩和長期化観測が後退し、円高に振れた可能性がある」(上野氏)とみられ、一時138.00円付近まで下落した。その後は138円前半で小動きとなった。
足元のドル/円は上がりづらい地合いになっている。米国の景気後退懸念を背景に長期金利は伸び悩み、逆イールドの発生が続いている。また、米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物やオプション市場では、投機筋による円売りポジションの拡大もそこまでみられない。
このため「(ドルは)実需の買いに支えられ下値は固いものの、上値追いをする市場参加者がみえなくなってきている」と、あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏と指摘する。
ユーロは対ドル、対円で堅調。ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社がロシアからドイツへのガス供給開始を発表したことが好感された。
きょうの欧州中央銀行(ECB)理事会では利上げ幅とーロ圏諸国の国債利回り格差を抑制するための「分断化防止」策に関心が集まっている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 138.21/23 1.0221/25 141.29/33
午前9時現在 138.40/42 1.0179/83 140.90/94
NY午後5時 138.20/23 1.0177/81 140.77/81