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米サード・ポイント、アマゾン有望視 年初の株安時に株追加取得
米ヘッジファンドのサード・ポイントは、年初の株安局面で保有株への投資を拡大したほか、新規銘柄を取得した。写真はアマゾンのロゴ。フランスで11日撮影。(2022年 ロイター/Pascal Rossignol )
[ボストン 16日 ロイター] - 米ヘッジファンドのサード・ポイントが、年初の株安局面で保有株を買い増したり、新規に投資したりしたことが分かった。同ファンド設立者のダニエル・ローブ氏の顧客向け書簡をロイターが16日に確認した。
ローブ氏は、アマゾン・ドット・コムについて、今後の上昇が期待できる「転換点」にあると指摘。新たな経営陣による取り組みに期待し、最近アマゾンへの投資を大幅に拡大したと説明した。
インテルなど「オールド」テクノロジーと称されることが多い銘柄について、もう一度見直す価値があると指摘した。サード・ポイントはインテルにも投資している。
ローブ氏は、とりわけアマゾンの将来性を有望視し、新型コロナウイルス禍の影響による人手不足やサプライチェーン混乱に伴う過剰コストは、状況が正常化するにつれてなくなると予想した。
アマゾンの取締役会が1月に10年ぶりの自社株買いを決定したこを評価し、株主還元が拡大し始める可能性があるとの見方を示した。
広告収入や設備投資の詳細を開示する決定も「株主に配慮した動き」と称賛した。
アマゾン株は、コロナ危機の2020年に急伸した後、昨年は上昇ペースが落ち、サード・ポイントに追加購入の機会をもたらした。
サード・ポイントはITサービス企業アクセンチュア株に投資。デジタル・トランスフォーメーション(DX)の動きなどを背景にアクセンチュアの市場シェア拡大が加速するとみている。
ローブ氏は、インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)も評価。サード・ポイントはインテルに経営陣刷新を提言し、昨年初めにゲルシンガー氏がCEOに指名された経緯がある。ローブ氏は、有能な人材の復帰、製品群の向上、成長に投資する方針によって、インテルが懸念される状況を脱したとの見方を示した。
サード・ポイント・オフショア・ファンドの昨年の運用成績はプラス22.7%。ただ第4・四半期は5.2%のマイナスだった。