ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(17日)米国株下落、ドル下落、利回り低下

2021年11月18日(木)07時23分

[17日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが一時16カ月ぶり高値を付けた後に下落した。インフレが高止まりする中、主要中銀の引き締め時期が注目されている。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が早ければ2022年半ばに利上げに踏み出すという観測が織り込まれた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.101%安の95.846。一時、2020年7月半ば以来の高値となる96.266を付ける場面もあった。

ドル/円は2017年3月以来の高値となる114.975円を付けた。その後は114.135円近辺で推移した。

ドルは対ユーロでも上昇し、一時節目となる1.12ドルを試した。その後、ユーロ/ドルは0.07%安の1.132ドル。

オアンダのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「不安定な状況だ。市場はインフレ動向に固執している」と述べた。

<債券> 米金融・債券市場ではこのところの利回り上昇を受けた買いが入り、利回りが低下(価格は上昇)した。20年債入札が軟調だったものの、ひどい結果にならなかったことも作用した。

10年債利回りは一時1.65%と10月26日以来の高水準を付けたが、その後は1.61%に低下した。

同利回りは先週は1.42%の低水準にあったが、10日に発表された10月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比6.2%上昇と、1990年11月以来31年ぶりの大幅な伸びを記録したことを受け、上昇。

BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の 金利ストラテジスト、ベン・ジェフリー氏は「ここ数日の利回り上昇(価格低下)を受け、テクニカルな要因で国債に買いが入ったと考える論拠はある」としている。

財務省が実施した230億ドルの20年債入札は応札倍率が2.34倍、最高落札利回りが2.065%。

<株式> 米国株式市場は下落して取引を終えた。インフレやサプライチェーン(供給網)を巡る懸念に圧迫された。米連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早期に利上げを開始するとの見方が高まっている。

小売り大手ターゲットは好調な決算を発表。通年の見通しを引き上げたほか、利益が予想を上回った。ただ、株価は下落し、前日の同業ウォルマートの下げに追随した。両社ともサプライチェーンの問題により第3・四半期の利益率が圧迫された。

18日に決算発表を控えるメーシーズ、コールズ、来週に発表予定のギャップ、アーバン・アウトフィッターズなど他の小売企業も株価が下落した。

ただ、一部の小売株は逆行高となった。ディスカウント小売大手TJXは取引時間中の最高値を更新。決算が市場予想を上回ったほか、自社株買い計画を拡大、年末商戦期の需要に対応する体制が整っているとの見通しを示したことが好感された。

ホームセンター大手ロウズも上昇。堅調な米住宅市場を背景に建設会社などからの需要が増加していることから通年の売上高見通しを引き上げた。同業ホーム・デポも前日、好調な決算を発表していた。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米株価が下落する中、強気筋の押し目買いなどが入り反発した。

米株安を受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産である金塊が買われやすかった。インフレが高止まりする中、インフレヘッジ手段としての金の需要増への期待が支えとなる中、前日の下落の後で先高感からの買いが入ったもよう。

ただ、外国為替市場では対ユーロでドル高が進行したことで、ドル建て商品としての割高感が金相場の上値を抑えた。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、供給逼迫(ひっぱく)懸念の後退を受けて売りが膨らみ、続落した。

国際エネルギー機関(IEA)は前日公表した11月の石油市場報告で、世界の石油需要は堅調なものの、欧州で新型コロナウイルスが再流行していることや、工業活動の脆弱(ぜいじゃく)さ、米シェールオイル増産の動きなどを理由に、2021年と22年の伸び予測をほぼ据え置いた。また、石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長も早ければ12月以降、市場のバランスは供給過多に傾くとの見解を示し、相場は朝方にかけて小安く推移した。

一方、米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報では、原油在庫が210万バレル減と、市場予想に反して4週ぶりの取り崩し。石油製品も予想通りマイナスとなり、発表直後は一時80ドル台を回復した。しかし、買い戻しの流れは続かず、その後は下げ足を速める展開。バイデン米大統領がガソリン価格抑制に向け、業界への監視を強める方針を示したことにも注目が集まった。

ドル/円 NY終値 114.07/114.12

始値 114.73

高値 114.76

安値 113.94

ユーロ/ドル NY終値 1.1319/1.1320

始値 1.1324

高値 1.1332

安値 1.1294

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*29.00 1.9678%

前営業日終値 96*25.50 2.0180%

17時05分 98*02.00 1.5854%

10年債(指標銘柄)

前営業日終値 97*20.00 1.6340%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*16.00 1.2294%

前営業日終値 99*10.25 1.2670%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.38 0.4979%

前営業日終値 99*23.00 0.5200%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 35931.05 -211.17 -0.58

前営業日終値 36142.22

ナスダック総合 15921.57 -52.28 -0.33

前営業日終値 15973.86

S&P総合500種 4688.67 -12.23 -0.26

前営業日終値 4700.90

COMEX金 12月限 1870.2 +16.1

前営業日終値 1854.1

COMEX銀 12月限 2516.7 +22.3

前営業日終値 2494.4

北海ブレント 1月限 80.28 ‐2.15

前営業日終値 82.43

米WTI先物 12月限 78.36 ‐2.40

前営業日終値 80.76

CRB商品指数 236.1353 ‐1.3568

前営業日終値 237.4921

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中