ニュース速報

ビジネス

ドル軟調、米雇用統計受け=NY市場

2021年09月04日(土)06時31分

ニューヨーク外為市場では、8月の雇用統計が予想を大幅に下回ったことを受け、ドル指数が低下した(2021年 ロイター/Yuriko Nakao)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、8月の雇用統計が予想を大幅に下回ったことを受け、ドル指数が低下した。

米労働省が朝方発表した8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比23万5000人増と、市場予想の72万8000人増を大きく下回り、過去7カ月間で最も低い伸びにとどまった。新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」の感染拡大に伴い、飲食業中心に採用を手控える動きが広がった。

主要6通貨に対するドル指数は91.941と、8月4日以来の安値を更新。終盤の取引では0.231%安の92.014。低下は4日連続。週初からは約0.7%低下した。

パウエルFRB議長は8月27日に行った米年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演で、テーパリング(量的緩和の縮小)開始時期は年内が適切との見方を示しながらも、急がない姿勢を表明。以来、ドル相場は先行き不透明な展開が続いていた。新型コロナの感染再拡大で景気回復が頓挫するとの懸念が出る中でこうした雇用統計が発表されたことで、FRBは現行政策を維持する可能性がある。

TDアメリトレード(シカゴ)の先物・外為マネジング・ディレクター、JB・マッケンジー氏は、市場はこれがトレンドになるのか見極めようとしていると指摘。「FRBは景気が過熱し対応が必要になれば対応するとし、透明性が重要とのメッセージを送ろうとしている。市場では一つの明確な方向性が示されていると受け止められており、このため、大きな下向きの動きは見られていない」と述べた。

この日に発表された別の米経済指標では、米供給管理協会(ISM)の8月の非製造業総合指数(NMI)が61.7と、前月に付けた過去最高の64.1から低下した。市場予想は61.5だった。

ユーロは米雇用統計を受け上昇。1.1909ドルと、7月30日以来の高値を更新した。終盤の取引では0.15%高の1.1891ドル。

円は対ドルで0.29%高の109.62円。上昇は主に米雇用統計への反応で、菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明し、就任から約1年で首相を辞任する運びになったことには大きく反応しなかった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.2%高の5万0358.39ドル。イーサは4.48%高の3956.04ドル。一時は4025ドルまで上昇し、5月15日以来初めて4000ドル台に乗せた。

ドル/円 NY終値 109.73/109.76

始値 109.91

高値 109.96

安値 109.60

ユーロ/ドル NY終値 1.1882/1.1884

始値 1.1869

高値 1.1908

安値 1.1867

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国「独身の日」商戦、今年は雰囲気「穏やか」 消費

ワールド

イスラエル戦略問題相が辞任、ガザ停戦交渉で中心的役

ビジネス

サッポロHD、連結純利益予想を上方修正 国内ビール

ワールド

COP30、先住民デモ隊と警備隊が会場入り口で衝突
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中