ニュース速報

ビジネス

東芝議長「果たすべき責任ある」と残留を説明、株主総会の焦点に

2021年06月14日(月)19時36分

 6月14日 東芝の永山治取締役会議長は会見で、「果たさないといけない責任(を全うすること)に集中したい」と述べ、今月の株主総会で諮る役員候補案に自身が残留した理由を説明した。写真はオンライン形式で会見する永山氏。6月14日撮影(2021年 東芝提供)

[東京 14日 ロイター] - 東芝<6502.T>の永山治取締役会議長は14日の会見で、「果たさないといけない責任(を全うすること)に集中したい」と述べ、今月の株主総会で諮る役員候補案に自身が残留した理由を説明した。昨年7月の株主総会の運営に問題があったと結論づけた外部弁護士の調査報告書を受け、大株主が永山氏の即時辞任を要求しており、25日の総会では大きな焦点の1つとなる。議決権行使会社はこの日の会見中、同氏の再任に反対票を投じるよう東芝株主に改めて推奨した。

永山氏は「批判を受けていることは承知している。重く受け止めている」としながら、自身の責務は「混乱を収拾し、東芝を企業価値の向上へ導き、株主への還元を実現していく」ことにあると主張した。

東芝は今年初め、昨夏の株主総会について監査委員会が起用した弁護士による社内調査を実施。「不当な干渉に関与したことを認める資料はなかった」などとしていたが、株主に選任された外部弁護士が今月10日に発表した報告書は、それを否定する内容だった。永山氏はこの日の会見で、社内調査について「疑問を感じる必要性を感じなかった」と語った。

永山氏は取締役会議長と指名委員会の委員長を兼務。東芝株7.2%を保有する第2位株主の3Dインベストメント・パートナーズは13日、外部弁護士の報告書を受けて永山氏に辞任を求める書簡を送った。ロイターが閲覧した書簡は「あらゆるコーポレート・ガバナンスの不備について最終的な責任を担っている」と指摘。東芝と同社株主の「利益に反する行為に直接関与した監査委員会委員を再度、取締役候補に任命した」ことを問題視した。

米国の議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は永山氏の会見中、同氏を含む4人の取締役選任に引き続き反対を推奨した

投資家の1人はロイターの取材に対し、「経営陣の監督責任を取るべき人物がいるとすれば、それは永山議長をおいてほかにいない」と指摘。会見で永山氏が、車谷暢昭前社長の責任を強調していたことに触れ、「問題のある人物の再任を含め、すべての重要な意思決定を統括している永山議長が責任を車谷元CEO(最高経営責任者)に転嫁しようとしているのは不誠実」とした。

<監査委候補は「理解得れぬ」と除外、新たな取締役招へいへ>

東芝は13日、調査報告書への対応を協議するために臨時取締役会を開き、当初の取締役選任案を変更し、社外取締役の太田順司氏、山内卓氏を除外することを決めた。両氏とも監査委員会の委員を務めており、永山氏は会見で「株主から再任の理解を得ることが難しい状況に至っていると判断した」と理由を説明した。2人とも退任する。

同じく監査委員会委員だった小林伸行氏は、会社の選任議案に残った。大株主の3Dは小林氏の再任にも異論を唱えているが、永山氏は「監査委委員に日本の公認会計士は必要不可欠で、その資格を持つ小林氏は、監査業務の継続性も考慮して候補にとどめた」と語った。

会社提案の取締役が当初の13人から11人へ減員となったことを受けて、永山氏は今月の株主総会後に改めて臨時株主総会を開き、新たな取締役を招へいする方針を明らかにした。人選には「株主から必要な人材について意見を汲み取り、できる限り反映させたい」という。

<再調査で車谷氏の責任明確化、現在は上場維持が前提>

東芝は外部弁護士の調査報告書が指摘した問題点について、今後あらためて第三者を加えて調査を実施する。永山氏によると、当時社長だった車谷氏の責任を明確にすることも狙いのひとつ。永山氏は「法的責任はさておくとしても、現在の経営の混乱を招き、株主の信頼を損なったことに関する、車谷氏の責任は決して無視できない」と強く批判した。

一部株主が提案した非上場化は、株主から再び提案があれば検討するとしたが、東証1部への再上場で「多くの株主に支えられている。その形態で事業価値を増やすことが十分できるとの前提で考えている」との考えを示した。

(基太村真司 取材協力:山崎牧子 編集:久保信博)

*写真を差し替えました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、27年度国防予算1.5兆ドル要求 大幅

ビジネス

イケア、中国で7店舗閉鎖 経営戦略を転換

ワールド

キューバ向け石油輸出は増えていない=ベネズエラ情勢

ビジネス

午前の日経平均は続落、利益確定が継続 米雇用統計待
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 5
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 6
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 7
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが…
  • 8
    公開されたエプスタイン疑惑の写真に「元大統領」が…
  • 9
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 10
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中