ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、2月改定値は48.8 二番底ほぼ確実に

2021年03月03日(水)19時23分

3月3日、IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.8と、好不況の分かれ目となる50を大きく下回った。独ベルリンで2日撮影(2021年 ロイター/Annegret Hilse)

[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.8と、好不況の分かれ目となる50を大きく下回った。

新型コロナウイルスの流行で引き続きサービス業が打撃を受けており、ユーロ圏経済が二番底を付けるのはほぼ確実とみられている。

ただ、ワクチン接種への期待を背景に先行きに対する楽観度は3年ぶりの高水準に達した。

2月の総合PMI改定値は、速報値の48.1、1月の47.8を上回った。

上昇の背景には記録的な製造業の拡大がある。大半の工場はロックダウン(都市封鎖)下でも操業を続けている。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「事業活動は4カ月連続で縮小しており、ユーロ圏は二番底の景気後退に向かっている」と指摘。

「サービス業のうち、多くの接客業は新型コロナ関連の封鎖措置で引き続き厳しい状況にあるが、製造業が好調でロックダウン措置の経済全体への影響を軽減している」と述べた。

ユーロ圏経済は2020年第1・四半期と第2・四半期にマイナス成長に陥った。先月のロイター調査では、2020年第4・四半期と2021年第1・四半期も再びマイナス成長になると予測されている。

2月のユーロ圏サービス部門PMI改定値は45.7。速報値の44.7、1月の45.4を上回ったが、好不況の分かれ目となる50を大きく下回った。

企業は値下げを実施しているが、需要は7カ月連続で減少。ただサービス業の雇用は、わずかとは言え、2020年2月以降で初めて増加した。サービス業の雇用指数は50.2、前月は49.8だった。

欧州連合(EU)ではワクチン接種が遅れているが、今後普及が進むとの期待が浮上しており、楽観度を示す総合先行き生産指数は67.0と、前月の64.2から上昇した。

ウィリアムソン氏は「ワクチン配布成功への期待と新型コロナ関連規制の大幅な緩和を背景に、企業信頼感が3年ぶりの高水準に上昇した」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、人民元バスケットのウエート調整 円に代わりウ

ワールド

台湾は31日も警戒態勢維持、中国大規模演習終了を発

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大

ワールド

ロシアの対欧州ガス輸出、パイプライン経由は今年44
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中