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米テスラ、第3四半期は売上高が過去最高 5四半期連続の黒字

2020年10月22日(木)11時14分

10月21日、米電気自動車(EV)大手テスラが21日発表した第3・四半期決算は、納車台数の増加や他の自動車メーカーに対する温暖化ガス排出枠(クレジット)販売を受け、売上高が過去最大の約88億ドルに伸び、5四半期連続の黒字になった。写真はテスラのロゴ。スイス・ディーディコンで撮影(2020年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[21日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが21日発表した第3・四半期決算は、納車台数の増加や他の自動車メーカーに対する温暖化ガス排出枠(クレジット)販売を受け、売上高が過去最大の約88億ドルに伸び、5四半期連続の黒字になった。

今年末までに50万台を納車する目標も堅持した。目標達成には第4・四半期に自動車販売を大幅に拡大することが必要になる。

第3・四半期の売上高が市場予想を上回ったことを受け、同社株は引け後の時間外取引で2.5%上昇し、433.88ドルを付けた。

テスラは、今年に50万台を生産・納入する能力を備えているとした上で、この目標の達成はより厳しくなっていると指摘。

「この目標を達成できるかどうかは主にモデルYと上海の生産の増加にかかっている」とした。

同社は今月初旬、第3・四半期の納車台数が13万9300台と、四半期で過去最高に達したと発表したが、一部のアナリストは同社が通年の野心的な納入目標を達成できるかどうか疑問視している。

テスラは今年、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などを背景にした自動車業界全般の縮小傾向に逆行し、安定的な収益を上げており、株価は年初来約400%上昇している。

こうしたテスラの勢いはEVの将来性や、ニッチな自動車メーカーからクリーンカーの世界的リーダーへとシフトした同社に対する投資家の信頼感を反映している。

ただ、ロス・キャピタル・パートナーズのクレイグ・アーウィン氏はテスラのリードは近く縮小する可能性があると警告。

「同社のバリュエーションは非常に高く、他社とかけ離れているようだが、ライバル企業も追い上げに向け積極的に取り組んでいる。2024年末までに400車種以上のEVが投入されることを踏まえると、競争は激化し、影響があるだろう」と述べた。

第3・四半期の売上高は過去最高の87億7000万ドルで、前年同期の63億ドルから増加した。リフィニティブのIBESデータによると、アナリストの予想は83億6000万ドルだった。

特別項目を除いた1株利益は0.76ドル。純利益は3億3100万ドル。マスク最高経営責任者(CEO)への株式ベースの報酬費用を除いた利益は8億7400万ドルだった。

他の自動車メーカーに対する温暖化ガス排出枠の販売は3億9700万ドルと、テスラの自動車事業の売上高全体の5%を占めた。

1─9月の排出枠販売は11億8000万ドルで売上高全体の7%を占める。

排出枠の販売がなければ、テスラの第3・四半期は黒字を達成していなかったことになる。

一部のアナリストは、米国の回復がさえず、欧州が新型コロナの感染第2波に見舞われていることから、改善し始めた中国市場でテスラの成長に期待をかけている。

テスラは地域別の販売を公表していないが、中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、セダン「モデル3」の販売は7─9月期からほぼ横ばいで推移している。上海で生産されたモデル3の第3・四半期の販売台数は3万4100台だった。

テスラは、上海工場でのモデル3の生産ペースが年間25万台と、目標に達したことを明らかにした。

上海での「モデルY」の生産も年25万台の目標に達したという。

米カリフォルニア州フリーモントの工場はモデルYを含め、59万台の生産能力を持つ。

テスラはドイツの工場での生産について、2021年に開始するとの見通しを示した。

自動運転車については、「完全自動運転機能」を今年末までに展開を拡大する方針。

マスク氏は数年にわたり完全な自動運転機能を約束しており、将来導入可能な8000ドルのオプションを設けている。

ただ安全を評価する団体は、限定使用のみで可能としてテスラの「完全自動運転機能」はミスリーディングで危険と警告している。

ロイター
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