ニュース速報

ビジネス

コロナワクチン開発のキュアバック、IPOで2.13億ドル調達=関係筋

2020年08月14日(金)12時31分

 新型コロナウイルスのワクチンを開発する独キュアバックは13日、ニューヨーク市場で新規株式公開(IPO)を行い、2億1300万ドルを調達した。写真はキュアバックの研究員。3月12日独チュービンゲンで撮影(2020年 ロイター/Andreas Gebert)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 新型コロナウイルスのワクチンを開発する独キュアバックは13日、ニューヨーク市場で新規株式公開(IPO)を行い、2億1300万ドルを調達した。関係者が明らかにした。

新型コロナの有望なワクチン候補を開発している企業が株式を新規に上場するのは初めてとなる。

関係者によると、IPOでは、仮条件の上限だった1株16ドルで1333万株を売却した。株式時価総額は約28億ドルとなる。

キュアバックのコメントは取れていない。

同社は、メッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新型コロナなどの治療法を研究。ライバルのモデルナやビオンテック<22UAy.F>も、同様の実験的なアプローチを採用している。

mRNAを利用すれば、治療で重要な役割を果たすタンパク質を患者自身の体に合成させることができると期待されている。

ドイツ政府は6月、キュアバック株の23%を約3億4300万ドルで取得。戦略上、国益に重要な企業と位置付けているとみられる。7月にはグラクソ・スミスクライン(GSK)やカタール投資庁(QIA)からも出資を受けた。

米マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏も同社を支援している。先月には欧州投資銀行から7500万ユーロ(8500万ドル)の融資を確保した。

新型コロナ以外にも、がん、狂犬病などの治療法を研究している。同社の文書によると、独SAPの共同創業者、ディートマー・ホップ氏が経営権を保有しており、IPO後も50%弱の株式を継続保有する見通し。

IPOの引き受け主幹事はバンク・オブ・アメリカ、ジェフリーズ、クレディ・スイス。

キュアバック株はナスダック市場で14日から取引が開始される予定。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マクロン氏、中国主席と会談 地政学・貿易・環境で協

ビジネス

インド中銀、ルピー安容認へ=関係筋

ビジネス

LSEG、金融データをチャットGPTに統合へ AI

ビジネス

午後3時のドルは155円前半、日銀利上げ見通しで一
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中