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日経平均は小反落、方向性示す材料欠き模様眺め

2020年07月01日(水)12時21分

 7月1日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比41円94銭安の2万2246円20銭となり、小反落した。写真は株価ボードを見る人。2013年6月、都内で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 1日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比41円94銭安の2万2246円20銭となり、小反落した。前日の米国株式市場が堅調だったほか為替相場が円安に振れたことも好感され、買い優勢で始まった。ただ、方向性を示す材料が見当たらず、模様眺めムードが支配している。時間外取引で米株先物が軟調に推移していることが上値を抑え、前引けにかけて値を消す展開となった。

6月30日の米国株式市場は続伸、ダウ平均株価<.DJI>は217ドル高で終了した。経済指標の改善が買いを後押しした。6月の米消費者信頼感指数は98.1と、前月の85.9から上昇した。コロナ禍による景気の落ち込みにひとまず歯止めがかかった格好だが、感染再拡大が回復の道筋を阻害する恐れもあり、先行きへの不安は根強い。

一方、外為市場ではドル/円が一時108円台に振れるなど、円安が好感された。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が依然として強く、これが株価の頭を抑える要因になっている。米国で重要経済指標の発表を控えていることも取引見送りの要因で、全体的に商いは細り気味となった。

寄り付き前に発表された全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、大企業・製造業の最近の業況判断指数(DI)がマイナス34となり、前回の3月調査から26ポイント悪化。業種別のDIでは、自動車がマイナス72(前回比55ポイント悪化)と09年6月調査以来の低水準となり、そのため、円安という好材料がありながらも自動車株は売り優勢となった。

市場では「3月期企業の第1・四半期が締めとなり、今後は4─6月の業績見通しに関心が向くようになりそうだ」(野村証券・投資情報部投資情報二課・課長代理の神谷和男氏)との声が聞かれる TOPIXは0.45%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は8721億2300万円と商いは細っている。東証33業種では、空運業など28業種が値下がりしたが、精密機器、電気機器など5業種が値上がりした。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>が連日の上場来高値更新となったほか、ソニー<6758.T>も堅調。半面、トヨタ自動車<7203.T>が軟調となり、ファーストリテイリング<9983.T>がさえない。

東証1部の騰落数は、値上がりが697銘柄に対し、値下がりが1372銘柄、変わらずが92銘柄だった。

日経平均はもみあい。前日比小幅高の水準で推移している。方向感がなく、全体的に見送りムードが強い。日経平均は午前10時55分までで、上下の振れ幅は82円88銭となっている。

市場では「相場は盛り上がりを欠き、商いも細っているため、個別で値動きの良い銘柄を物色する動きが目立つ程度だ」(国内証券)との声が聞かれた。

日経平均は小幅高、2万2300円台前半で推移している。手掛かり材料に乏しく、寄り付きからの値幅は上下68円程度にとどまる。10時45分に中国で製造業購買担当者景気指数(PMI、財新)に関心が向かっているが、ここで動意が出なければ日中を通じて方向感を欠く展開になるとみられている。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>が買われ、連日の上場来高値更新。日経平均を約35円押し上げる要因となっている。アフターコロナにおけるデジタル化、クラウド化を背景にしたビジネスチャンスの拡大期待が手掛かりになっている。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比50円16銭高の2万2338円30銭となり、続伸した。その後も小幅高の水準で推移している。オーバーナイトの米国株市場で主要3指数が続伸したことや、ドル/円が円安基調で推移していることが支えとなっているが、日本株を積極的に買う材料が乏しく、上値の重さも意識される。業種別では、証券、鉱業、電気・ガスなどが高い。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車<7203.T>、パナソニック<6752.T>が売り買い拮抗。ホンダ<7267.T>、キヤノン<7751.T>は買い優勢、ソニー<6758.T>は売り優勢。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>は売り買い拮抗、ファナック<6954.T>は買い優勢。

メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が売り買い拮抗している。

*内容を追加します

ロイター
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