ニュース速報

ビジネス

米民主党討論会、勢いづくウォーレン氏の医療保険案がやり玉に

2019年10月16日(水)13時08分

 10月15日、2020年米大統領選の候補者絞り込みに向けて野党民主党が15日開いた討論会で、支持率を伸ばしているエリザベス・ウォーレン上院議員(写真右端)が、医療保険制度や税制を巡り他候補から批判の集中砲火を浴びた。写真は討論会の様子。オハイオ州ウェスタービルで撮影(2019年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ウェスタービル(米オハイオ州) 15日 ロイター] - 2020年米大統領選の候補者絞り込みに向けて野党民主党が15日開いた討論会で、支持率を伸ばしているエリザベス・ウォーレン上院議員が、医療保険制度や税制を巡り他候補から批判の集中砲火を浴びた。

民主党内の急進派勢力の中心的な存在であるウォーレン氏は過去2カ月間で支持を着実に伸ばしており、最近の幾つかの世論調査で、これまでトップを走ってきたバイデン前副大統領と実質的に互角となった。2強となってから初めて開かれた討論会で、ウォーレン氏は繰り返し、低支持率にあえぐ他候補の標的となった。

ブティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長とエイミー・クロブチャー上院議員は、ウォーレン氏が掲げる国民皆保険制度について、詳細が曖昧なままで、増税を伴うことが明示されていないと指摘。

クロブチャー氏は「米国民に費用をどう賄うのかを明示すべきだ」と強調。「計画と机上の空論の違いは分かっているはずだ」とした。

ブティジェッジ氏はウォーレン氏に対し、「あなたの売りは、全てに関して計画を持っているということだが、国民皆保険は例外だ」と述べ、詳細な計画や財源をどのように確保するかを説明していないと批判した。

一方、ウォーレン氏は批判にひるまず、所得格差を解消し、労働者に公正な競争環境を整えるという自身の公約を説明。

中間層世帯の増税につながるいかなる法案にも署名することはないとし、自身や同じく民主党の指名獲得を目指すバーニー・サンダース上院議員などか提唱する国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」は一般国民の負担減につながると主張した。

「私は自分の信念を明確にしてきた。つまり、富裕層や大手企業の負担は増えるが、勤勉な中間層世帯の負担は低下するということだ」と述べた。

サンダース氏は、メディケア・フォー・オールの下では「税金が増えると認めるのが適切」とコメントした。

民主党候補による討論会は、下院民主党がウクライナ疑惑を巡りトランプ大統領の弾劾調査を開始して以降で初めて開かれた。

弾劾調査では、トランプ大統領がウクライナ政府にバイデン氏やその息子に関する疑惑の調査を依頼したことが、再選を視野に外国政府の選挙介入を求めて圧力を掛けた行為に該当するかどうかが焦点となっている。

バイデン、サンダース両氏はともに、トランプ氏は「歴史上で最も腐敗した大統領」と痛烈に批判。

バイデン氏は「私も息子も全く不正は行っていない。ウクライナの腐敗根絶という米政府の政策を実施したという事実が認められるべきだ」と強調。「トランプ氏を罷免することがいかに重要かの認識を強める必要がある」と続けた。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インド、保険業で100%外資出資可能に 議会が法案

ビジネス

日米、対米投資巡り協議開始 案件形成へ緊密な連携確

ワールド

ポーランドが対人地雷生産へ、冷戦後初 対ロ防衛強化

ビジネス

アマゾンなど3社の株主、米移民政策の影響開示を要請
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中