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米住宅着工、5月は11年ぶり高水準 許可件数は落ち込む

2018年06月20日(水)02時51分

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した5月の米住宅着工件数(季節調整済み)は前月比5.0%増の135万件となり、2007年7月以来約11年ぶりの高水準となった。一戸建て住宅、集合住宅ともに伸びた。市場予想は131万件だった。

4月の数字は当初の128万7000件から128万6000件にやや下方改定された。

一方、住宅着工の先行指標となる建設許可件数は4.6%減の130万1000件と2カ月連続のマイナスで、昨年9月以来の低水準だった。住宅市場が依然穏やかな状況にあることを示した。

労働力や土地が不足し、木材価格が上昇する中、建設業者が堅調な需要に対応できないでいる。失業率が18年ぶりの低水準にあることも住宅需要を押し上げている。

キャピタル・エコノミクスの不動産エコノミスト、マシュー・ポイントン氏は「木材価格がすでにピークに達した可能性を示す一部先行データは存在するが、労働力不足はそれほど速やかに解決できない問題だ。このため、住宅市況は年内引き締まった状態が続く」と見通した。

中西部の着工件数が62.2%急増して06年9月以来の高水準となり、北東部や南部、西部の落ち込みを補った。

住宅市場で最も大きな割合を占める一戸建て住宅は、着工件数が3.9%増の93万6000件だった。10年以上ぶりの高水準だった昨年11月(94万8000件)以来、勢いを失っている。

許可件数は2.2%減の84万4000件で、昨年9月以来の低水準だった。許可件数が低迷しているため、着工件数は今後減速する可能性がある。

18日に発表された調査で、戸建て住宅建設業者の信頼感は6月に低下。建設業者は「カナダ木材やその他の製品に課された関税に懸念を強めている」という。高価な木材が「新築住宅の価格を9000ドル程度押し上げている」との指摘があった。

住宅投資は第1・四半期に縮小した。第2・四半期に加速した経済全体から、住宅市場は引き続き後れを取っている。

変動が激しい集合住宅では、着工件数が7.5%増の41万4000件。許可件数は8.8%減の45万7000件だった。

建設中や完成した住宅が増え、住宅不足状態が若干和らぐ可能性もある。

完成件数が1.9%増の129万1000件と08年1月以来の高水準、一戸建て住宅の完成件数も08年3月以来の高水準を記録した。

建設中の住宅在庫が0.2%増の112万7000件で07年7月以来の高水準、一戸建ての建設件数は0.2%増の51万5000件と08年5月以来の高水準だった。

フレディマックの首席エコノミスト、サム・ケイター氏は「増加自体は朗報だが、夏の販売ピーク時、在庫を求め過熱する不動産市場にとって十分な水準とはまだ言えない」と話した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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