ニュース速報

ビジネス

米S&P小幅高、ダウは下落 決算受けIBMが急落

2018年04月19日(木)07時17分

 4月18日、米国株式市場は、S&P総合500種がやや上昇し、ダウ工業株30種は下落した。2017年3月撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米国株式市場は、S&P総合500種<.SPX>がやや上昇し、ダウ工業株30種<.DJI>は下落した。値動きの荒い展開となる中、エネルギーや工業が堅調な伸びを示す一方、主要消費財や金融が弱含んだ。

原油価格の上昇がエネルギー株を支援し、米鉄道輸送3位のCSXなど輸送株の上げが工業セクター全体を押し上げた。

半面、米IBMは7.5%急落し、S&P指数を最も下押しした。第1・四半期の利益率が市場予想を下回り、改革に時間がかかっている状況が示されたことが要因。

アメリプライズのチーフマーケットストラテジスト、デービッド・ジョイ氏は「市場が上下に反応するニュースが多い。その中でも最も注目された材料がエネルギー価格だ」と指摘。金融株の下落は米国債のイールドカーブのフラット化が要因だとし、「企業決算とイールドカーブは市場にとって最も大きな影響力を持つ」と語った。

第1・四半期決算で一時項目を除く1株利益が市場予想を大幅に上回ったCSXは7.8%急伸。これを受けて他の鉄道株も上昇し、ダウ輸送株<.DJT>は1.7%高となった。

同じく第1・四半期の調整後利益が市場予想を上回った米航空大手ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスは4.8%高となり、他の航空株も上昇した。

米連邦準備理事会(FRB)は18日公表した地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)で、「堅調」な企業の借り入れ、消費支出の増加、労働市場の引き締まりを踏まえると米経済は引き続き成長軌道に乗っているとの認識を示した一方、世界的な貿易戦争のリスクも指摘した。

ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメントの最高投資責任者、マーク・ヘッペンストール氏は「中国との貿易摩擦問題は後回しにされたようだ」とし、投資家は対中政策で前向きな成果が得られることに期待していると指摘した。また、決算への期待が高過ぎて、おおむね良好な業績であっても予想に届かないリスクがあると述べた。

米半導体製造装置メーカーのラム・リサーチは4%安。第1・四半期の出荷が5年ぶりに市場予想に届かず、アナリストが需要減退の可能性を指摘したことが要因。

フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)<.SOX>は1%安。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.26対1の比率で上回った。ナスダックでは1.09対1で値上がり銘柄数が多かった。

S&P500構成銘柄をみると、39銘柄が52週高値を更新し、2銘柄が新安値を付けた。ナスダック総合構成銘柄では131銘柄が新高値を、36銘柄が新安値をそれぞれ更新した。

米取引所の合算出来高は64億6000万株。直近20営業日の平均は約70億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 24748.07 -38.56 -0.16 24820.85 24832.54 24721.09 <.DJI>

前営業日終値 24786.63

ナスダック総合 7295.24 +14.14 +0.19 7292.38 7319.58 7259.90 <.IXIC>

前営業日終値 7281.10

S&P総合500種 2708.64 +2.25 +0.08 2710.11 2717.49 2703.63 <.SPX>

前営業日終値 2706.39

ダウ輸送株20種 10770.15 +177.59 +1.68 <.DJT>

ダウ公共株15種 697.82 -2.42 -0.35 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1343.78 -13.94 -1.03 <.SOX>

VIX指数 15.60 +0.35 +2.30 <.VIX>

S&P一般消費財 831.02 +4.08 +0.49 <.SPLRCD>

S&P素材 375.54 +2.72 +0.73 <.SPLRCM>

S&P工業 640.12 +6.46 +1.02 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 543.81 -4.73 -0.86 <.SPLRCS>

S&P金融 455.69 -1.69 -0.37 <.SPSY>

S&P不動産 191.41 -0.41 -0.21 <.SPLRCREC>

S&Pエネルギー 543.50 +8.27 +1.55 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 962.80 +0.42 +0.04 <.SPXHC>

S&P電気通信サービス 152.24 -0.68 -0.44 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1185.86 -2.78 -0.23 <.SPLRCT>

S&P公益事業 257.52 -1.01 -0.39 <.SPLRCU>

NYSE出来高 7.70億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 22175 - 5 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 22155 - 25 大阪比 <0#NIY:>

(ロイターデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

メルセデス、中国パートナーとの提携に投資継続 「戦

ビジネス

日経平均は大幅反落800円超安、前日の上昇をほぼ帳

ビジネス

焦点:国内生保、24年度の円債は「純投資」目線に 

ビジネス

ソフトバンク、9月30日時点の株主に1対10の株式
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中