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金融庁、企業年金の機能発揮を要請 統治指針の改訂案=関係筋

3月12日、金融庁は、2015年の導入以来初めて改訂するコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に、新たに企業年金の機能発揮を促す原則を盛り込む。2013年11月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 12日 ロイター] - 金融庁は、2015年の導入以来初めて改訂するコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に、新たに企業年金の機能発揮を促す原則を盛り込む。関係筋が12日、明らかにした。年金運用の高度化を図るとともに、投資先企業との対話の充実につなげたい考えだ。
改訂案を13日開催の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(座長=池尾和人・慶大経済学部教授)に示す。
同庁は新たに上場企業に対して各社の企業年金が運用の専門性を高め、「アセット・オーナー」として期待される機能を発揮できるよう、適切な人材を配置することを求めるとともに、取り組みを開示すべきだと明記する。さらに、企業年金の受益者と会社の間に生じ得る利益相反を適切に管理するよう求める。
企業年金を巡っては、企業が運用に不慣れな人材を配置したり、運用機関に運用を丸投げしたり、チェック機能が働いていないといった指摘が専門家から出ていた。
改訂案では、取締役会の構成について、女性や国際性豊かな人材を起用して多様性を確保するよう求めた。
また、政策保有株式の売却を促進するため、政策株を保有する会社から売却の意向が示された場合、発行企業は取引の縮減を示唆することなどで、売却を妨げるべきではないなどと明記した。
コーポレートガバナンス・コードは現在、全73原則で構成されている。すべての原則に強制的に従う必要はないが、順守しない場合は理由を説明することが求められる。
(和田崇彦 編集:布施太郎)