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展望2018:円債は日銀YCC継続でこう着、国債買入減額には警戒

2017年12月24日(日)17時14分

 12月22日、2018年の円債市場で、10年債金利は基本的に狭いレンジで推移する見通し。2%の物価安定目標の実現は難しく、日銀はイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を粘り強く続けることになるとみられている。写真は都内で2013年2月撮影(2017年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 22日 ロイター] - 2018年の円債市場で、10年債金利は基本的に狭いレンジで推移する見通し。2%の物価安定目標の実現は難しく、日銀はイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を粘り強く続けることになるとみられている。ただ、来年4月以降の国債発行減額に合わせて日銀の国債買い入れが減らされることへの警戒感はくすぶりそうだ。米国は緩やかな利上げが想定されているため、米債市場からの直接的な影響は限られる見込み。

市場参加者の見方は以下の通り。

●ロールダウン効果で20年債に妙味

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア債券ストラテジスト 稲留克俊氏>

日銀のYCC政策の継続で、こう着感が強い相場展開になるのではないか。投資戦略としてキャリー・ロールダウン効果が有効な20年債を中心に物色する流れが続くだろう。20年債利回りは0.5─0.75%、10年債利回りは狭いレンジを想定している。日銀は「指し値オペ」を活用して金利上昇を抑制することは可能だが、金利低下に対して有効な調節手段を持ち合わせていない。リスクオフの流れが強まった場合、想定外の金利低下に注意が必要とみている。

日銀の政策変更はないだろう。消費者物価の前年比上昇率が1%に届くのは2020年と予想している。来年の物価は0.7%─0.8%程度にとどまるとみており、日銀が調整利上げなどに動くことはないだろう。黒田日銀総裁は来年4月に任期満了を迎える。黒田総裁の続投がなくても、安倍晋三政権が変わらない限り、現行の金融政策が踏襲されるだろう。むしろ、リスクは来年9月の自民党総裁選で、安倍首相が退陣に追い込まれた場合だ。金融政策の変更リスクが意識されるかもしれない。

来年の10年日本国債レンジ予想:0%─0.100%

●日銀金融政策、据え置かれると予想

<みずほ証券 シニア債券ストラテジスト 丹治倫敦氏>

日銀の金融政策は据え置かれると予想している。政府の意向からみると、安倍晋三首相は一般世論の反発を招く円高・株安につながる緩和縮小というリスクを取らないと考えている。来年9月に自民党総裁選があり、安倍首相は3選して憲法改正を行いたいと思っているので、支持基盤が揺らぐことは許容しないだろう。金融政策が据え置かれることで10年長期金利も一定の範囲内でしか動かないとみている。

海外市場のマクロ・コンセンサスは景気堅調、インフレ低迷。現状、景気が大きく後退局面に入るというサインは出ておらず、インフレ低迷も構造的な問題なので、上がらないと思っている。基本的に海外市場からの影響は大きくないだろう。

ただ、中国が共産党大会を終えて、短期的にはネガティブな要素のある政策を行うことが予想されていることや、米国の景気が循環的な調整局面に入るリスクがある。景気が後退してきた場合には、米10年債金利の2%割れも想定でき、日本の10年長期金利がマイナス圏に入ることも意識されることになるだろう。

来年の10年日本国債レンジ予想:マイナス0.050%─0.110%

●円債投資は金利上昇待ち、外債と両にらみ続く

<三井住友アセットマネジメント・執行役員グローバル戦略運用グループヘッド 深代潤氏>

最大の注目材料は日銀の金融政策。緩和長期化の副作用が日銀内で認識されており、現行の政策に修正が入る可能性も否定できない。新執行部体制がスタートする来春が1つのタイミングだろう。消費者物価が日銀の2%目標から程遠いなかで、YCC政策の枠組みが大きく変わると思っていない。マイナス金利の是非が議論されるだろうが、政策変更があったとしてもターゲットレンジの変更などの微修正にとどまるのではないか。

日銀の新執行部人事や金融政策への不透明感があるなか、投資家は年明けから様子見姿勢を取りそうだ。金利上昇局面を待って押し目買い姿勢を維持しながら、円債と外債の両にらみの投資戦略が続くのだろう。

一方、外部要因としては、米利上げを受けたグローバル経済の変調、北朝鮮・中東の情勢緊迫化などがあり、リスクオフへの緊張感は続くだろう。

来年の10年日本国債レンジ予想:0%─0.300%

●10年債金利ターゲット引き上げがテーマ

<JPモルガン証券 債券為替調査部長 山脇貴史氏>

来年度は、日銀による10年債金利のターゲット引き上げがテーマになりそうだ。JPモルガン証券の経済調査部が予想しているように、物価の基調が非常に堅調な1年になれば、ターゲットの引き上げが視野に入り、2回程度の実施を予想している。物価上昇がそれほど堅調でなければ、ターゲットの引き上げはないだろう。ただ、その場合でも10年債金利は0.2%程度までは上昇する可能性がある。

日銀オペに関しては、来年4月以降、国債発行計画の減額に合わせて日銀の買い入れも減額される方向になるだろう。ただ、ネットでみた日銀の買い入れ額と国債の発行額のバランスを推しはかると、買い入れの急激な減額までは実施しなくてよいだろうとみている。

米国債に関しては、来年の利上げ回数が2─4回ぐらいが市場のコンセンサスと思うが、想定内の利上げであれば、米短期金利は2─2.5%程度の上昇にとどまるので、米10年債金利が3%を大きく超えるようなことはないだろう。2%台後半での推移というのがメインシナリオとなり、円債市場への直接的な影響は限られるだろう。

来年の10年日本国債レンジ予想:0%─0.600%

*カテゴリーを追加します。

(金利マーケットチーム 編集:伊賀大記)

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