ニュース速報

ビジネス

日産自の今期純利益10年ぶり過去最高へ、北米好調で為替も寄与

2015年11月03日(火)00時29分

 11月2日、日産自動車は2016年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表した。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[横浜市 2日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は2日、2016年3月期の連結業績予想を上方修正、純利益は前期比16.9%増の5350億円と10年ぶりに過去最高を更新する見通しとなった。従来予想の4850億円から500億円引き上げた。北米での販売好調、為替円安などが寄与する。

今期の営業利益も前期比23.8%増の7300億円と従来予想の6750億円から引き上げた。円安など為替の影響が450億円押し上げる。会社側の修正値は、トムソン・ロイターの調査によるアナリスト28人の予測平均値7282億円とほぼ同水準となっている。

今期の売上高予想は同7.7%増の12兆2500億円。過去最高を見込んでいた従来予想の12兆1000億円をさらに上積みする。修正後の純利益予想は06年3月期(5181億円)以来の過去最高となる見込み。

今期の世界販売計画は従来の555万台から550万台に引き下げた。内訳は、北米を198万台(同192万台)と上方修正する一方、欧州を77万台(同79万台)、中国を125万台(同130万台)に引き下げた。日本は60万台の計画を据え置いた。

想定為替レートは1ドル=119.40円(従来は115円)、1ユーロ=132.60円(同130円)と、それぞれ円安方向に見直した。

北米では、ガソリン安と低金利を背景に多目的スポーツ車(SUV)など利益率の高い車の販売が好調となっている。西川廣人チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は決算会見で、米国市場について、年換算で「1700万台を超えている状況」と指摘し、1800万台までは届かないものの、足元の需要は強く感じられるとして「さらに上に行くのではないか」と述べた。

一方、経済が減速している中国について、西川CCOは「景気の影響で小型商用車市場は落ち込んでいる」と指摘、年間販売計画を5万台引き下げたのも小型商用車の低迷が背景にあるとした。ただ、乗用車市場は「成長していくのは間違いない」と話し、年5―6%の成長を続けるとの見方を示した。同社の10月の中国乗用車販売は前年同月比19%増だった。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハリコフ攻撃、緩衝地帯の設定が目的 制圧計画せずと

ワールド

中国デジタル人民元、香港の商店でも使用可能に

ワールド

香港GDP、第1四半期は2.7%増 観光やイベント

ワールド

西側諸国、イスラエルに書簡 ガザでの国際法順守求め
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 7

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    日鉄のUSスチール買収、米が承認の可能性「ゼロ」─…

  • 10

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中