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焦点:景気減速より台湾問題、中国は国防予算の拡大加速へ

2019年03月03日(日)07時33分

Ben Blanchard

[北京 26日 ロイター] - 中国では、経済減速が国防費の増大を阻む可能性は低い。同国政府は、軍の近代化やステルス戦闘機などの高額装備調達に向けてより多くの予算を計上する一方で、台湾問題にも注力しようとしている。

同国の国防予算に対しては、航空母艦や対人工衛星ミサイルなど、新たな軍事能力を開発する中国がどのような戦略的意図を持つのか、その手掛りを探りたいと、世界各地から強い関心が注がれている。

中国は2018年、過去3年間で最大となる国防費の増額に踏み切り、前年からの伸び率を8.1%増とした。思い切った装備更新プログラムを加速する一方で、この発表は近隣諸国の神経を逆なでした。

2019年の国防予算は、3月5日開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で明らかにされる予定だ。だが2017年の全人代では、国防予算が当初発表されず、透明性を巡る懸念が再燃した。

同じく全人代の開幕当日に発表される予定の2019年経済成長目標については、昨年の目標だった約6.5%を下回る6.0─6.5%で設定されそうだ、と政策担当者はロイターに語った。

国防予算の伸び率は、経済成長率を超える計算だ。

「2018年に比べ8─9%の安定した増加というのが理にかなった予想だ」という軍事専門家のコメントを、中国共産党の機関紙で人民日報系の環球時報は今月掲載している。

中国が西側諸国の軍事力に追いつくにはまだ相当かかる、と環球時報は報じている。次世代ステルス戦闘機「殲(せん)20(J20)」などの先進的な装備は依然として少数にとどまっているからだ。

景気減速を考えれば、軍事支出の増加も減速すると予想するのが自然だろう、と上海の同済大学で政治学を教える安全保障専門家のXie Yue教授は語る。

「国防予算は経済成長とリンクしているため、本来その伸び率も低下するはずだ。だがもちろん、南シナ海問題や台湾問題などの要因を踏まえ、恐らく国防予算はさらに増大するだろう」と同教授は指摘する。

中国による支配を受け入れなければ、台湾を攻撃する可能性もある、と1月の年頭演説で習主席が警告したことで、台湾問題が再び中国軍事当局の政策課題として浮上している。来年には台湾の総統選挙が控えているだけに、なおさらこの問題が注目されている。

「台湾問題を次世代に先送りし続けることはできない」と中国人民開放軍の元幹部で論客として知られる羅援氏は先月、自らのブログで主張。「われわれの世代が、歴史的な使命を果たさねばならない」

<「戦うぞ」>

中国軍内部では、台湾問題を巡り、実力行使を望む声が高まっている、と軍の関係者は語る。台湾は中国の一部であるという「一つの中国」原則を掲げる中国は、特に主席の演説後、強硬姿勢を強めている。

日頃から軍の高官と会ういう同関係者は、「彼らは連日『戦うぞ』という雰囲気だ」と述べた。

台湾の蔡英文総裁は中国の脅威について繰り返し警告しており、この島と民主的な生活様式を防衛すると宣言している。米国は、台湾に関する中国の意図を注意深く見守るとしている。

台湾の蘇貞昌首相は先週、「手許に箒1本しかなくても、私は中国に対抗して戦う」と国会で語った。「台湾を併合しようとするなら、その代償を払うことになろう」

米国は25日、再び台湾海峡に戦艦2隻を派遣した。中国からの反発はあるものの、米軍はこの戦略的に重要な海峡経由で行動する頻度を高めている。

中国国防省は、今年度の国防費についてコメントを避けた。中国当局はこれまで常に、国防支出について、防衛のみを目的としており、額も相対的に小さく、それを批判する者は中国の地位低下を望んでいるだけだ、との説明を繰り返している。

中国軍備管理・軍縮協会(CACDA)の上級コンサルタントで、中国軍元幹部のXu Guangyu氏は、「人々が恐れているのは中国が強くなることだ」と語り、国防費を巡る懸念を一蹴した。

トランプ大統領は、2019年の米国防費として7500億ドル(約83兆円)を要求する議会予算案を支持している。これに対し、中国の2018年の軍事予算として設定されたのは、1兆1100億元(約18兆3000億円)だ。

中国は、国防予算の内訳を公表しておらず、透明性の欠如が地域の緊張を高めていると、近隣諸国や他の軍事大国は不満を隠さない。一方、透明性は十分であり、脅威ではない、というのが中国側の見解だ。

宇宙開発計画の運営まで担う、世界最大規模の軍隊である人民解放軍の軍事支出について、中国政府はおそらく実際よりも過小評価して見せている、と海外の外交官や専門家は主張している。

(翻訳:エァクレーレン)

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