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デサントの説明は抽象的で具体性欠けていた=伊藤忠CFO
[東京 5日 ロイター] - 伊藤忠商事<8001.T>の鉢村剛・最高財務責任者(CFO)は5日の決算会見で、株式の公開買い付け(TOB)を実施しているデサント<8114.T>について「いままで何度も株主に対する説明責任を果たすよう経営陣に求めていたが、答えは抽象的で具体性に欠けていた」と述べ、その対応を批判した。
伊藤忠はデサントに約30%出資しているが、経営対立が深刻化する中で、1月31日にTOBを発表。持ち株比率を重要な決議事項に対して「拒否権」を発動できる3分の1超の40%に引き上げる方針を示した。これに対してデサントは「TOBは当社取締役会に対して何らの連絡もなく、事前協議の機会もないまま一方的に行われたものだ」と反発するコメントを発表、事態は泥沼化している。
鉢村CFOはデサントについて、1)16年に策定した中期経営計画では19年3月期に100億円の最終利益目標を掲げているにもかかわらず、今期予想(19年3月期)が65億円になっていることについての具体的な説明がない、2)取締役の在任期間が長く、活性化の面で疑問がある、3)筆頭株主である伊藤忠が知らないところでワコールホールディングス<3591.T>との提携が公表されたり、トップ間の会話の内容が漏洩したり、ガバナンスが欠如している──の3つの問題点を挙げた。
金融商品取引法はTOBの対象会社は公告日から10営業日以内に意見表明することを義務付けており、鉢村CFOは「正式なコメントが出次第、あらためて意見を出したい」としている。
*写真を差し替えて再送します。
(志田義寧)