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NY市場サマリー(28日)
[28日 ロイター] - <為替> 円が上昇。投資家は株式市場の荒い値動きに対し身構える姿勢を強めている。ドルは下落した。
今週は序盤にS&P総合500種<.SPX>が20カ月ぶりの安値水準を試し、弱気相場入り寸前となったが、その後、米主要3株価指数は26日に約10年ぶりとなる大幅な上昇を見せ、翌27日にも続伸するなど荒い値動きとなった。
円は国内の軟調な鉱工業生産や国債利回りの低下にもかかわらず上昇。日本の指標10年債利回りは2017年9月以来、初めてマイナスとなった。
円は対ドル
ドル指数<.DXY>は0.09%安の96.396。
ドルは米利上げの打ち止め時期が従来想定より早まるとの見方や利上げによる米経済鈍化への懸念を背景にここ数週間にわたって下落。米政府機関の一部閉鎖や米中貿易摩擦、複雑な英国の欧州連合(EU)離脱なども投資家の警戒姿勢につながっている。
<債券> 10年債利回りが10カ月超ぶりの低水準を記録した。経済や一部政府機関閉鎖など政局の混乱に投資家が不安を募らせ、株式相場の変動が引き続き大きかった。
10年債利回り
2年債利回り
調査サービス会社のリッパーが公表した米国拠点ファンドの資金動向調査によると、26日までの週に米国債投資ファンドに42億ドルが流入し、2015年2月以降で最大となった。
ブルームバーグとバークレイズがまとめた指数によると、安全資産とされる米国債に需要が殺到し、月間のトータルリターンは前日時点で1.88%と16年6月以来2年半ぶりの大幅高、年間でプラス圏となる勢いだ。
<株式> 前日と同様、不安定な値動きとなる中、ダウ平均株価<.DJI>が小幅安、ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>がほぼ変わらずで取引を終えた。週間では各主要株価指数とも今月に入り初の値上がりとなった。
米中貿易摩擦を巡る懸念や政府機関の一部閉鎖といった政治的不透明さ、米企業業績への不安がマイナス要因として根強い。ただ最近の株安に伴いバリュエーションは一段と落ち着いてきているほか、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ動向について市場は以前より信頼感を取り戻している点はプラス要因として捉えられるという。
個別銘柄では、電気自動車(EV)のテスラ
<金先物> 現物相場は上昇。ドル安に加え、世界的な株価持ち直しの動きが失速したことで、安全資産を選好する動きが強まった。
金先物2月きりの清算値は、0.6%高の1281.10ドル。
投資家らの金への信頼感は、世界最大の金上場投資信託(ETF)、SPDRゴールド・ トラストの保有高にも反映された。SPDRの金保有高は26日、2.1%増加し、増加率は2016年7月以来の大きさとなった。
<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)の在庫発表後ももみ合い。米国産標準油種WTI中心限月の2月物は午前11時10分現在、前日清算値比0.11ドル高の1バレル=44.72ドル。
EIAの在庫週報によると、最新週の原油在庫は前週比横ばいだった。市場予想(ロイ ター通信拡大版調査)は290万バレル減となっていたが、米石油協会(API)が前日夕に発表した週報では690万バレルの積み増しだったため、市場の反応は限られており、前日清算値付近でもみ合いとなっている。