コラム

北朝鮮初のビールCMは嘘くさい

2009年07月07日(火)15時57分

 北朝鮮ではテレビ番組の選択肢が限られてはいるものの、テレビばかり見ている人にとって文句のつけようがないことが1つある。果てしなく続くCMがないことだ。

 ところが大同江ビールの工場が生産を開始して7年、「平壌の誇り」と呼ばれる国産ビールがついに北朝鮮初のテレビCMに登場した。

 この工場はもともと英イングランド南西部にあったアッシャーズ社の設備で、飢餓から立ち直り始めたばかりの北朝鮮が00年に買い取った。

 虚偽広告に国境はないようで、朝鮮中央通信はこう伝えている。


 市民は大同江ビールのことを「冷たいけれど温かいビール」と呼ぶ。金正日総書記の人民に対する温かい配慮と結び付いているからだ。


 約2分半も続くCMは、大同江ビールにはストレス解消や健康増進や寿命を延ばす効果があるとうたう。ただ、このCMを作ったディレクターはもう少し強い酒を飲んでいたのかもしれない。

──アディティ・ナンジア
[米国東部時間2009年07月06日(月)16時12分更新]


Reprinted with permission from FP Passport, 7/7/2009. © 2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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