日本の農業を救う「スマート農業」
「令和の米騒動」と呼ばれた一時の米不足から状況は一変し、ニュースではむしろ「深刻なコメ余り」や「米価の3年半ぶりの下落」が大きく報じられるようになりました。スーパーの棚にもお米がずらりと並び、安堵した人も多いでしょう。
しかしながら、現場の農家にとっては「せっかく作ったのに価格が暴落するかもしれない」という、新たな不安の種となっています。さらに日本の農業は、「高齢化」と「コスト増」という深刻な構造不況に直面しています。
日本の農業従事者の平均年齢はすでに70歳を超えており、次世代への技術継承が間に合わないまま廃業する農家が後を絶ちません。追い打ちをかけるように、国際情勢や円安の影響で肥料や燃料、飼料といった生産資材の価格が高騰し、農家の経営を圧迫しているのです。
そこで急務の課題となっているのが、人間の経験と勘に頼らない自動化やAIを駆使した「スマート農業」の転換です。
ロボットトラクターやドローンによる「自動化」は、人手不足を補うだけでなく、重労働から農家を解放します。また、AIやセンサーが田畑ごとの発育状況をデータ化し、必要な場所にだけピンポイントで肥料や農薬を散布する「適量生産」を行えば、高騰する資材コストを最小限に抑えられます。
需給の波が激しい時代だからこそ、徹底的に無駄を削ぎ落とし、市場で高く売れる高品質な作物を狙って育てるテクノロジーの力が必要不可欠なのです。
農家と投資家から熱い視線を集めるクボタ
こうした流れの中で株式市場が改めて評価し始めているのが、農業機械大手のクボタ<6326>です。トラクターやコンバイン、田植機などでおなじみの企業ですが、「頑丈で壊れない農機」を愚直に作り続け、日本の農業の現場で鍛え上げられてきたモノづくりのノウハウを強みとしています。
そんなクボタでは、自社の機械構造の技術にデジタル技術を融合させた、営農支援システムや自動運転技術を開発しています。自動運転技術ではGPSを活用し、トラクターや田植機がほぼすべての作業や旋回を自動で行うことで、経験の浅いオペレーターでもプロ並みの精度で高効率な作業を可能にしました。