さらに味や収量をメッシュマップでデータ化し、圃場ごとの発育状況に合わせてドローンや農機が最適な量の肥料をピンポイントで可変散布するシステムも手がけています。肥料の無駄を省くと同時に、より品質の高い作物を安定して育てることができるのです。
1月には、世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」(ラスベガス)で、クラウド協調型の未来の自動運転ロボット「Type: V」を披露するなど、クボタの農業テックに世界中から関心が集まっています。
順調な業績とともに上昇するクボタの株価
クボタは今期(2026年12月期)、連結業績で売上高が前期比4%増、純利益は13%増という増収増益を見込んでいます。北米やヨーロッパのほかに、タイやインドといった主要市場で市場環境が改善していることに加え、新機種の導入効果による売上増を予想しています。
また、ただ単に高性能な機械を売る「モノ売り」から、農業経営の課題をトータルで解決する「コト売り(ソリューションプロバイダー)」への変革を進めています。
さらに現行の中期経営計画では、国内の農機事業について、スマート農業の促進による大規模化、省力化への対応推進など、多くの新しい取り組みを行うことで事業構造を変革させる、としています。加えて、整備・アフターサービス事業の拡大による事業基盤の安定化にも取り組んでいます。
株価は昨年からの上昇局面が続く中、2月に業績予想の上方修正を発表して上場来高値(3242円)まで急騰しました。その後は、相場全体の関心がAI関連株に向かったこともあって2000円台中盤まで調整したのち、現在は戻り歩調となっています。
米不足によって改めて浮き彫りとなった日本の農業の課題。それを解決するスマート農業というテーマは、今後さらに注目を集めるとともに、株式市場における存在感も増していくでしょう。その先頭にいるのは、クボタかもしれません。
[筆者]
佐々木達也(ささき・たつや)/証券アナリスト、金融ライター
金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終判断は、ご自身の責任で行っていただきますようお願いいたします。本記事の情報を利用して損失・損害が発生した場合、執筆者および編集部、出版社は一切の責任を負いません。
イランが有利に見える14項目の覚書にはアメリカとの「談合」が隠されている