人数が多い団塊ジュニアの世代も50代半ばにさしかかっている。定年後は毎日が日曜日。悠々自適の暮らしをしようと思っている人が多いだろうが、そういう人ばかりではない。年金だけでは暮らせないので、老後も働き続けることを決めている人もいる。

高齢者の就業率の長期推移を見ると、戦後初期の頃は高く、高度経済成長期にかけて低下し、近年になってまた上昇するという「U字」型を描いている。生産力が低く第1次産業が多かった時代では高齢者も働いていたが、年金等の社会保障の整備もあり就業率は下がった。だが現在では生活への不安、また社会全体の人手不足もあって、働く高齢者の割合が再び上がっている。

働くと言っても、高齢者は年金の足しになる程度のパート労働だろうと思われるかもしれないが、データを見るとそうでもない。

上の<表1>は2022年のデータだが、15歳以上の国民の6割が働いていて、そのうちの65.4%(3人に2人)が週40時間以上のフルタイム就業をしている。当然、これらの値は生産年齢層で高い。65歳以上の高齢者を見ると、働いている人の割合は25.3%で、そのうちのフルタイム就業者の割合は39.9%となっている。高齢者の4人に1人が働き、そのうちの4割がフルタイム就業をしている。

これを見てどういう感想を持つかは人それぞれだが、欧米の人は「日本の高齢者は働いている」という印象を受けるだろう。2024年の65歳以上の労働参加率を見ると、アメリカは19.5%、イギリスは12.2%、ドイツは9.6%、フランスに至っては4.8%でしかない(総務省統計局「世界の統計2026」)。高齢者はさっさと引退したがり、年金支給年齢の引き上げなどしたら暴動が起きるような国だ。南欧のスペインでは、65歳以上の労働参加率はさらに低く3.8%だ。日本と同じく高齢化が進んでいる国だが、働く高齢者はわずかしかいない。それでも何とか社会を回せている。

日本よりも少ない労働量で社会を回している欧米諸国
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