<大学生、豚肉、不動産、建築資材......共産党が総力を挙げて大プロジェクトを推進した結果、過剰の連鎖があちこちで生まれている>

先日、中国で毎年恒例の国家的イベントが幕を閉じた。毎年6月上旬に実施される全国統一大学入学試験「高考(ガオカオ)」だ。高考は長年、中国人にとって「人生逆転の切符」だった。しかし最近、若者の間で諦観が広がっている。

今年の受験者数は1290万人。全国の大学卒業生数は前年比48万人増の1270万人だ。これに既卒の未就職者、海外からの帰国組、大学院や公務員試験の浪人生らを加えると、求職者総数は1500万人超。しかし新卒者が対象の有効求人数は567万件。少子化で受験者数は2年連続減少だが、3人が1つのポストを争う「学歴過剰時代」と「就職氷河期」が続く。

さらに信じ難いのが、豚肉の供給過剰である。2018年のアフリカ豚熱の流行後、中国は深刻な豚肉不足に陥った。中国人の食生活にとって、豚肉は絶対に欠かせない食材だ。当局が国家規模で増産を奨励し、大手IT企業までがこぞって養豚業へ一斉参入。莫大な資本が市場へ流れ込んだ結果、供給が需要を大幅に上回り、14億人の大国で豚肉が余る事態が起きた。

豚肉だけではない。長年、中国の地方政府は土地使用権の売却や開発業者の誘致、新たな街の建設を進め、その結果GDPは伸び、税収は増え、都市の景観も大きく変わった。一方で若者の北京や上海など大都市への流出や少子化が進み、多くの地方都市で深刻な不動産の供給過剰が起きている。

過剰の物語は国境を超える。その1つが「一帯一路」構想である。もちろん外交戦略や地政学的な意図もあるが、この構想には過剰社会となった中国の適応戦略の側面もあった。

「一帯一路」の隠された役割
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