コラム

平和を礼賛する日本が強者にだけ謝罪する偽善 

2020年08月26日(水)12時00分

しかし、植民地化されたが故に「台湾は中国の一部」とされ、満洲人とモンゴル人がいまだに中国の桎梏(しっこく)から独立できないでいるのではないか。欧米の植民地は独立できたが、日本の植民地は独立どころか、かえってほかの帝国、それも諸民族の好敵手であった中国の支配下に置かれたままである。日本の植民地支配が新たな支配、中国による専制主義的統治を招いたとの性質も認識しなければならないだろう。ここに、日本と西洋列強との根本的な差異があるからである。

日本はどうすればいいのか。欧米諸国のように、イギリスが香港に関心を抱き続けるように、旧植民地に積極的に関与するしかなかろう。台湾の民主化と独立を支持し、モンゴルなどの少数民族が中国に抑圧され虐待されている状態から解放しなければならない。そうなれば、日本は周辺国だけでなく、世界中から尊敬される国家になるに違いない。

<2020年9月1日号掲載>

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2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他

プロフィール

楊海英

(Yang Hai-ying)静岡大学教授。モンゴル名オーノス・チョクト(日本名は大野旭)。南モンゴル(中国内モンゴル自治州)出身。編著に『フロンティアと国際社会の中国文化大革命』など <筆者の過去記事一覧はこちら

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