新しい日本語「やばいンデ」は定着する? それとも「サランパン」に?
同時代、同じ場所で、同じく外国商人が使っていた、マレー語由来と思われる「ピッギ(piggy)」も注目に値する。これは「サラ、ピッギ(皿を下げろ)」とか「ワタクシ、ピッギ(私が出掛ける)」と使っていたようで、「外す・外れる」「留守にする」などの意味を持っていた。
これもすぐ単語として消えたが、変形した形で残った可能性もある。つまり、「ペケ」になったのではないか。手をバツの形にして言う「ペケ」は中国語の「不可(ブーコー)」を由来とする説もあるが、「ピッギ」説もあり、はっきりしていない。
必要に応じて外国語の語彙を吸収していく日本語のメカニズムは、順調に働いている(言ってみれば「サランパンではない」)。
さて、ここのところだいぶバズってきた、ニューフェースの「やばいンデ」と「チンチャそれな」はどうなるのだろうか。国民はゴーサインを出すのか? それとも......ペケ?
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。
2024年6月18日号(6月11日発売)は「姿なき侵略者 中国」特集。ニューヨークの中心やカリブ海のリゾート地で影響力工作を拡大する中国の「ステルス侵略」
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本人の「自由」へのこだわりとは?...ジョージア大使が考える「共通点」と「相違点」 2024.06.13
少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由? 2024.05.26
岸田首相は「国民の命を守り抜く」といつも言うが、本気なの? 2024.05.18
「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの文化」をジョージア人と分かち合った日 2024.05.11
大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「ボス」になれないことだ 2024.04.25
便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること 2024.04.18