国連、ガザの飢饉を『人災』と断定 イスラエルは全面否定
United Nations Declares 'Famine' in Gaza: 'Failure of Humanity'

強硬なイスラエルのネタニヤフ首相(8月13日、エルサレム)REUTERS/Ronen Zvulun
<ガザ制圧という「地獄の門」が開く前に、イスラエルに圧力をかけ人道支援を届けることはできるか>
国連が支援する食料安全保障機関が、ガザ地区で飢饉が発生していると正式に発表したが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相のオフィスはこれを「完全なデマだ」と強く否定した。
統合食料安全保障フェーズ分類(IPC)の報告によると、この飢饉は完全に人為的なものであり、2023年10月7日にガザのイスラム組織ハマスの奇襲を受けて以降続いているイスラエル軍による攻撃と封鎖が主因とされている。
ただし報告書は、「緊急の人道支援が行われれば、飢饉を止め、逆転することが可能だ」とも指摘している。
本誌はイスラエル外務省および国連にコメントを求めている。
今回のIPCの発表は、ガザ地区における飢饉が初めて正式に認定されたものであり、イスラエルによる封鎖でガザの住民に支援が届かない問題に対する国際的な関心を一層高め、政治的解決への圧力を強める可能性がある。
イスラエルはこの報告書を「偏向しており、不正確」と批判。ハマスが支援物資を横領しているとして非難した。イスラエルによれば、ガザで飢餓状態にあるのは「イスラエル人の人質だけ」だ。