最新記事
オリガルヒ

経済制裁下でもロシア富豪はますます肥え太っていた、その理由

Russia's Richest Billionaires Are Getting Wealthier Fast

2025年8月6日(水)18時58分
ジョーダン・キング
ロシア最大の金属採掘会社ノリリスク・ニッケル

ロシアの金脈の1つ、ロシア最大の金属採掘会社ノリリスク・ニッケル(2010年、大富豪ポターニンは筆頭株主) REUTERS/Ilya Naymushin

<ウクライナ戦争継続能力を削ぐために欧米が続けてきた経済制裁や資産凍結にも関わらず、ロシアのオリガルヒはますます肥え太っていることがブルームバーグのデータで明らかになった>

ロシアの富豪たちは過去1年間で、200億ドル以上資産を増やした。ブルームバーグのビリオネア指数によれば、制裁対象となっているオリガルヒ(新興財閥)の中でも、ロシアで最も裕福な富豪ウラジーミル・ポターニン(純資産306億ドル)が資産増加を主導している。

【チャート】ロシア大富豪の純資産と2025年の資産増額

この急激な資産増加は、ロシアの経済力を削ぐことを目的とした西側諸国の制裁が続く中で起きており、注目すべき動きだ。2022年のウクライナ侵攻を受け、欧米諸国は数十人のロシア財界人に制裁を課した。これらはウラジーミル・プーチン大統領の影響力を抑え、モスクワの侵略を思いとどまらせることを狙ったものだった。

だが、データはこれらの制裁がロシアの超富裕層のさらなる資産増加を防げなかったことを示しており、制裁の実効性に疑問が投げかけられている。

実際、クレムリンは経済の「回復力」を強調し、西側企業のロシア撤退にともなって一部の大富豪は資産を取り戻している。

だがドナルド・トランプ米大統領は、プーチンがウクライナ停戦に応じなければ「厳格な」二次関税を課すと警告している。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米下院、エプスタイン文書公開巡り18日にも採決 可

ワールド

国連安保理、トランプ氏のガザ計画支持する米決議案を

ワールド

米大学の25年秋新規留学生数、17%減 ビザ不安広

ビジネス

ティール氏のヘッジファンド、保有エヌビディア株を全
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中