トランプはゼレンスキーに「嘘をついた」のか?...兵器供与再開の裏にある米政権の「不都合な真実」
The Clown Car Rolls On
「政治のシーソー」遊び
ゼレンスキーはトランプとの電話会談を「これまでで最高の会話」だったと評した。ただし、プーチンも同じように満足していたようだ。そして電話会談の直後に、ロシアはウクライナの首都キーウに対して過去最大規模の爆撃を開始した。
プーチンの側近たちは、兵器供与の停止はトランプがウクライナを見捨てたようなものだと勝ち誇った。トランプが方針を転換すると、ドミトリー・メドベージェフ安全保障会議副議長は「例によってお気に入りの政治のシーソーをこいでいる」と嘲笑した。
トランプが兵器供与停止の命令を承知していたかどうかはともかく、今回の混乱の原因はいつもと変わらない。トランプの外交政策には、戦略も体系的な意思決定プロセスも一切、存在しないのだ。
なぜなら、トランプはそんなものは必要ないと考えている。彼は専門家の助言を軽視し、実際に多くの専門家を解任してきた。そして、自分の直感こそが、あらゆる専門的な政策分析や機密情報評価より賢明な指針になると信じている。
過去の米大統領の政策において、こうした重大な決定が軽々しく下されることはなかった。国家安全保障会議(NSC)を招集し、議論を経て決定したことなら、大統領が正式に発表しているはずだ。





