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「平和の国」がいま武装する理由──デンマーク首相フレデリクセン、激動の世界を語る【本誌独占インタビュー】

CAUGHT IN THE CROSSFIRE

2025年7月3日(木)15時26分
マシュー・トステビン(本誌シニアエディター)

軍事侵攻の形を取らなくても、既に攻撃は行われていると言う。「今の状況を見てほしい。日常的に、少なくともほぼ日常的に、ロシアはハイブリッドやサイバー、偽情報などの攻撃を仕掛けて、民主的な選挙を妨害しようとしている」

ヨーロッパの人々は今こそ胸に手を当てて問うべきだと、フレデリクセンは語る。「自ら立ち上がり、自国を守ろうとしないなら、自分たちはいったい何者なのか」


デンマークは多くの調査で、世界でも国民の健康度が最も高い国の1つとされる。コペンハーゲンの「名物」の1つは、通りを行き交う多数の自転車だ。少なくとも週に1度は自転車通勤をするというデンマーク人は、全体の36%。アメリカでは0.6%にすぎない。

「グリーン移行」で競争力強化

健康に加え、デンマークが誇るのは治安のよさだ。経済平和研究所の「世界平和指数」で上位10位に入っている。そんなデンマークとヨーロッパの国々をいま悩ませているのは「トランプのアメリカ」に加え、中国とどう付き合うかだ。重要な貿易相手国である中国はロシアの「戦略的パートナー」でもある。

フレデリクセンによれば、解決策は明快。「強いヨーロッパを構築すること」だ。「強いヨーロッパは中国も含め世界中の多種多様なパートナーと協力できる懐の深さを持つ」

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