約束だけのロシア、結果を出す中国...キューバが「中国依存」を強める背景とは?
キューバは2018年に中国の一帯一路構想に参加。以後中国は、キューバの運輸、港湾インフラ、通信の主要プロジェクトを含むいくつかの戦略的インフラプロジェクトに投資してきた。一方、ウクライナ戦争で泥沼にはまり込み、危機に直面するキューバへのさらなる融資に慎重なロシアは、歴史的なパートナーとしての地位が揺らぎつつある。
「ロシアは常に、実行よりも約束の方が大きかった」と、アメリカン大学のラテンアメリカ政治学教授、ウィリアム・レオグランデ氏は述べた。「もし中国が今、キューバの窮状を踏まえて支援を強化しているのであれば、それは真の命綱となる可能性がある。」
ハバナのロシア大使館も中国大使館もコメント要請に応じなかった。
結果を出す中国
キューバは深刻な電力危機に直面しており、昨年だけでも全国送電網が4度崩壊し、数百万人が停電に見舞われるなど、社会活動に大きな影響が出ている。こうした中、中国が太陽光発電プロジェクトへの大規模な投資を加速させており、同国にとって極めて重要なパートナーとしての存在感を高めている。
2月21日、キューバは首都郊外のコトロに新たな太陽光発電所を開設した。式典には、駐ハバナ中国大使とキューバのディアスカネル大統領が出席。大統領は声明で、このプロジェクトを「姉妹国である中国との協力」と称賛した。
送電網運営会社UNEによると、このほかに少なくとも8つの太陽光発電所が新たに稼働を開始しており、既存の施設と合わせて合計で約400MWの太陽光発電エネルギーを供給している。これは日中の不足電力の約3分の1に相当するという。
公式推計では、中国が資金提供する新規プロジェクトだけでも年内に総発電量が1100MWを超える見込みで、これにより日中の不足分をほぼ補い、夜間発電に必要な燃料の節約につながると期待されている。