最新記事
韓国政治

韓国、シャーマンが繋ぐ黒い疑惑 再び 尹前大統領夫妻・旧統一教会・ODAをめぐる三角関係

2025年5月7日(水)19時00分
佐々木和義

検察が家宅捜索を行った容疑には、旧統一教会の「国連事務局誘致」や統一教会行事への教育部長官の出席などの請託などもある。

現在、国連事務局は米ニューヨーク、スイスのジュネーブ、オーストリアのウィーン、ケニアのナイロビの4カ所にあるが、統一教会は5番目の事務局をアジア唯一の分断国家である韓国に誘致すべきと主張して、京畿道の非武装地帯(DMZ)の平和公園への誘致活動を繰り広げてきた。

また、旧統一教会が毎年開催している「サミット&リーダーシップ・カンファレンス」に日本の文部科学大臣に相当する韓国教育部長官の出席を求めた可能性がある。旧統一教会が2022年8月11~15日に開催したカンファレンスでは米国のドナルド・トランプ大統領(当時)がビデオ演説を行ったほか、ニュート・ギングリッチ元米下院議長、マイク・ポンペオ元米国務長官などが祝辞と基調演説を行っていたが、教育部長官の出席は確認されていない。

罷免後に携帯を機種変更、証拠を隠滅?

検察は尹錫悦前大統領の私邸に加えて金建希夫人のオフィス「コバナコンテンツ」も捜索したが、ネックレスなどは見つからず、携帯電話やパソコンのUSBなどを押収した。ただ、携帯電話は尹大統領の罷免後に購入した新品で、検察が金品供与がなされたとみる2022年当時の記録は残っていなかったという。

旧統一教会の尹英鎬前世界本部長は贈り物について「教会の韓鶴子(ハン・ハッチャ)総裁の意向に従ったもので韓総裁の決裁を受けた」と供述したが、教会側は関与を否定しており、尹英鎬氏もすでに教会を離れている。ネックレス等の金品が発見されない限り、尹錫悦前大統領夫妻とシャーマンや旧統一教会をめぐる疑惑の真相解明は厳しいかもしれない。

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

利上げの是非、12月の決定会合で「適切に判断」=植

ワールド

南アはG20創設メンバーとラマポーザ大統領、トラン

ワールド

米州兵銃撃容疑者、入国後に過激化 国土安全保障長官

ビジネス

エアバス機、1日にほぼ通常運航へ 不具合ソフトの更
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中