最新記事
石油

「掘って掘って、掘りまくれ」トランプ2.0のアメリカは石油人脈が仕切る

THE OIL INDUSTRY WISH LIST

2025年2月6日(木)14時38分
ジェフ・ヤング(環境・サステナビリティー担当)

newsweekjp20250206024843-67658cd747d309e7074b59eec206c780b6595337.jpg

エネルギー長官の指名承認公聴会で発言するクリス・ライト AL DRAGOーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

自動車業界と利害対立?

APIは石油・ガスの掘削や輸送の過程で排出されるメタンガスに対する課金の廃止も求めている。メタンは天然ガスの主成分だが、二酸化炭素以上に強力な温室効果ガスであり、掘削現場や輸送管からの漏洩で大気中に放出されている。

高感度の観測衛星などにより、漏洩メタンが大気中のメタン濃度を押し上げていることも判明している。昨年夏には上空からの観測で、米国内の石油掘削現場からのメタンガス排出量が石油業界の自主規制値の8倍に上ることが分かった。

また7月にオンライン学術誌フロンティアズ・イン・サイエンスに掲載された研究によると、大気中のメタン濃度の増加率は「従来の想定ペースを上回っている」という。


ソマーズによれば、業界もメタン排出の抑制に取り組んでおり、一定の規制が必要なことは理解しているが、それでも排出量への課金には反対だという。

そんなことをすれば「アメリカ経済の原動力となっているこのエネルギー源の生産が、いずれ減少に転じかねない」からだ。

APIは自動車業界への規制にも言及している。具体的には、バイデン政権下の環境保護庁(EPA)が昨年3月に出した厳しい排ガス規制の廃止を求めている。

しかし、これは電動化に莫大な投資をしてきた自動車産業の利害と対立してしまう恐れがある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ネトフリ株一時9%超上昇、ワーナー買収断念の意向を

ビジネス

今年の米経済は「力強さ増す」、新企業成長で雇用創出

ワールド

米国務長官、3月2─3日にイスラエル訪問 イラン情

ビジネス

米建設支出、25年12月は前月比0.3%増 予想と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石が発見される...ほかの恐竜にない「特徴」とは
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    習近平による軍部粛清は「自傷行為」...最高幹部解任…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中