最新記事
中東情勢

トランプ大統領の発言に国際社会が反発...「ガザ所有」なら中東不安定化

2025年2月6日(木)09時39分
イスラム組織ハマスの幹部サミ・アブ・ズフリ氏

2月5日 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの幹部サミ・アブ・ズフリ氏(写真)は5日、トランプ米大統領が米国によるガザの所有と復興を提案したことについて、「荒唐無稽」であり、中東の不安定化につながりかねないとの認識を示した。写真は2009年1月、イスタンブールで撮影(2025年 ロイター/Osman Orsal)

トランプ米大統領がパレスチナ自治区ガザからパレスチナ人を他の地域に移住させた上で米国が管理し、「中東のリビエラ」に変える構想を提案したことを受け、アラブ諸国を含む国際社会から広範に反発が広がっている。

不動産開発業者出身のトランプ氏が衝撃的な提案を打ち出したことを受け、各国首脳は米国の長年の中東政策の基礎となってきた「2国家解決」案への支持を改めて表明。ロシア、中国、ドイツなどがトランプ氏の構想に反対姿勢を示したほか、ドイツは「新たな苦痛と憎しみを生む」と批判。中東の大国サウジアラビアは全面的に拒否した。


 

世界的に反響が広がる中、米国のウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日、CBSニュースに対し「トランプ大統領が2国家解決案の終わりを表明したとは聞いていない」と述べ、トランプ政権が米国が長年の中東政策から離れつつあるとの見方を否定した。

サウジなど反発

サウジはパレスチナ国家の樹立なくしてイスラエルとの関係構築はないとし、パレスチナ人を彼らの土地から追い出そうとするいかなる試みも拒否すると表明。

サウジアラビア政府は声明で、パレスチナ人を彼らの土地から追い出そうとするいかなる試みにも反対すると強調。パレスチナ国家の樹立なしにイスラエルとの関係を確立することはないと表明した。

ヨルダンのアブドラ国王は5日、領土の併合のほか、パレスチナ人の強制移住に関するいかなる試みにも反対すると表明。エジプトも、パレスチナ人の地域外移住を伴わないガザ復興支援を実施する意向を示した。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米アトランタ連銀総裁、任期満了で来年2月退任 初の

ワールド

トランプ氏、12日夜につなぎ予算案署名の公算 政府

ワールド

イランの濃縮ウラン巡る査察、大幅遅れ IAEAが加

ワールド

世界原油需給、26年は小幅な供給過剰 OPECが見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中