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子どもを育てる保育士・幼稚園教員を軽視する日本社会

2024年12月11日(水)11時20分
舞田敏彦(教育社会学者)

あと一つ示したいのは、全職業の中での位置だ。厚労省の『賃金構造基本統計』には、144の職業の月収と年間賞与額(ボーナス)が出ている。これを使って職業別の年収を出し、高い順に並べたランキングにした。<表1>は、主な職業を取り出したものだ。

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パイロット、医師、法務従事者(裁判官・弁護士等)、大学教授は年収1000万を超える。高校教員は11位で、小・中教員は13位。しかし幼稚園教員は89位、保育士に至っては100位だ。運転手や介護職はもっと低く、いわゆるエッセンシャル・ワークが冷遇されている。

保育士の給与は安い。広く知れ渡っていることだが、絶対水準で見ても、他の職業と比較した相対水準で見てもそれが事実であることが、データではっきりと分かる。以前と比べて改善は進んでいるものの、まだまだ余地はありそうだ。

2026年度より、保護者の就労に関係なく、3歳未満の子どもが保育所等に通える「子ども誰でも通園制度」が始まる。だが保育士の待遇が改善されないことには、この制度も機能するか疑念を抱かざるを得ない。

<資料:厚労省『賃金構造基本統計』(2023年)

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