最新記事
暗殺計画

トランプ銃撃時、シークレットサービスはイランの襲撃に備えていた?

New Iranian Plot to Assassinate Donald Trump Uncovered: Everything We Know

2024年7月17日(水)18時50分
マシュー・インペリ
撃たれたトランプを抱えるシークレットサービス

銃弾は思わぬ方向から飛んできた(演説中に耳を撃たれ、シークレットサービスに抱き抱えられたトランプ)(7月13日、ペンシルバニア州バトラー)  REUTERS/Brendan McDermid

<トランプ暗殺未遂が起こった直後、イランのトランプ暗殺計画が報道で暴かれた。トランプ前政権下の2020年、米軍の空爆で革命防衛隊のソレイマニ将軍が殺されたときから、シークレットサービスはイランの復讐を警戒していたというのだが>

イランがドナルド・トランプ前大統領を暗殺する計画を立てていたことが、最近の報道で明らかになった。

【動画】ドナルド・トランプ、現米大統領が誰かも分からず...堂々と間違えネット爆笑...口にしたのはまさかの「あの人物」

CNNは7月16日、匿名の安全保障担当者の話を引用し、米当局は最近、イランがトランプ前大統領の暗殺を企てているとの情報を入手していたと報じた。

この記事が出たのは、トランプがペンシルベニア州バトラーで行った選挙集会で耳を撃たれた直後だった。

CNNによると、この暗殺計画の情報を受け、シークレットサービスは2024年の大統領選挙に向けてトランプの選挙集会周辺の警備を強化することになったという。CNNは、イランの陰謀と13日の暗殺未遂を結びつける情報はない、とも述べている。

シークレットサービスのアンソニー・グリエルミ報道官は本誌の取材に対し、「シークレットサービスおよびその他の政府機関は、常に脅威となりうる新たな情報を入手し、必要に応じて、それに対応するためのリソースの調整を行っている。シークレットサービスは脅威を真摯に受け止め、然るべく対応するということ以外、特定の脅威についてコメントすることはできない」と述べた。

無関係に起きた13日の銃撃

イランの国連代表部は本誌の取材に対し、「こうした非難は根拠がなく、悪意に満ちている」と声明を発表し、この報道を否定した。

「イラン・イスラム共和国から見れば、トランプはカシム・ソレイマニ将軍の暗殺を命じた罪で訴追され、法廷で処罰されるべき犯罪者だ」と、イラン代表部は述べた。「イランは、彼を裁くために法的に責任を追及する道を選んでいる」イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を率いていたソレイマニ将軍は、2020年1月に米軍の空爆で死亡した。

共和党の事実上の次期大統領候補だったトランプは13日の午後、ペンシルベニア州バトラーで開かれた集会で演説中、銃撃された。

トランプは右耳をつかみ、警備員が彼を守るために群がった。銃撃犯は、シークレットサービスによって射殺された。FBIの捜査で、ペンシルベニア州ベセルパーク在住のトーマス・マシュー・クルックス(20歳)と特定されている。

この銃撃事件で集会の参加者1人が死亡、2人が重軽傷を負った。

CNNの報道によれば、国家安全保障当局とシークレットサービスのメンバーは、13日のトランプの集会の前に、イランによる暗殺計画を知らされていた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

金総書記、新年祝賀行事に出席 戦場の兵士を称賛激励

ワールド

トランプ氏、シカゴ・ロス・ポートランドから州兵撤退

ビジネス

米国株式市場=続落、25年は主要3指数2桁上昇 3

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、年間では2017年以来の大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中