最新記事

ダークネット

闇サイトが「トランプ暗殺」の資金を募集

2016年12月9日(金)15時20分
アンソニー・カスバートソン

Shannon Stapleton-REUTERS

<特殊なブラウザでしかアクセスできないダークウェブ上に、トランプの「暗殺計画」を企てるサイトが登場。賛同者からはすでに約9万ドル相当の寄付がよせられている>(写真は大統領当選後に開催されたアイオワ州の集会でトランプの画像を掲げる支援者)

 一般のブラウザでは閲覧できないダークウェブ上のサイトが、トランプ次期米大統領とペンス次期副大統領の「暗殺計画」への資金集めを開始した。

「Terminating Donald Trump(トランプを終わらせる)」という名前のこのサイトには、賛同者から寄付を募る仮想通貨ビットコインの口座へのリンクがついている。ビットコインの取引ログから、口座には既に115ビットコイン(約8万8000ドル)の寄付がよせられていることがわかった。

 特殊なブラウザだけでアクセスできるこのサイトには、「自由世界の指導者としてトランプとペンスを迎えるのは極めて危険だ」という声明が掲載されている。「アメリカの政治、環境、社会は最悪の変化に見舞われる」

自分たちはよく知られた組織

 サイトの開設者は自らを、腐敗した政府などをサイバー攻撃する「良く知られた地下組織」だと名乗っている。

【参考記事】「ネット言論のダークサイド」を計算機で解析する ── データ分析による報道の技術とその再現性 ──

「しかし今、内戦や戦争を回避して自らを守るためには、サイバー攻撃以上の行動に出なければならない」と、声明は続く。「我々の計画を遂行するためには装備のために多くの資金が必要だ」

 本誌は、管理者のメールアドレスを通じてサイトの作成者とのコンタクトを試みたが、返信はなかった。

【参考記事】やわらかな日本のインターネット

 このようなダークウェブに、政治家の暗殺を呼び掛けるサイトが立ち上がるのは、初めてではない。2013年には「暗殺市場」という名前のサイトが登場し、オバマ大統領やヒラリー・クリントンの暗殺への賛同を呼び掛け、メディアから注目された。オバマ暗殺には40ビットコイン(約3万ドル)、当時の連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキには124.14ビットコイン(約9万6000ドル)の報酬が集まっていた。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三菱電機と台湾鴻海、AIデータセンター分野で提携

ワールド

米民主重鎮ペロシ氏が政界引退へ、女性初の下院議長

ワールド

中国商務省報道官、EUとの貿易・投資協定交渉に前向

ワールド

米ユナイテッドとデルタ、7日の便の欠航開始 各20
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 5
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中